鉄道沿線の細長い土地にメガソーラー、JR東日本が秋田県の2カ所に建設自然エネルギー

青森・岩手・秋田の北東北3県を「再生可能エネルギー基地」に位置づけるJR東日本が、秋田県内の沿線にある社有地2カ所にメガソーラーを建設する。JR東日本が北東北にメガソーラーを建設するのは初めてで、2015年3月までに運転を開始する予定だ。2カ所で1100世帯分の電力を供給する。

» 2014年09月24日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 メガソーラーの建設予定地。出典:JR東日本

 JR東日本がメガソーラーを建設する場所は秋田県の北西部に位置する潟上市(かたがみし)を走る鉄道の沿線にある(図1)。

 1カ所は福島県から山形・秋田県を通って青森県まで続く奥羽本線の線路沿いで、もう1カ所は男鹿(おが)半島を結ぶ男鹿線の線路沿いだ。2カ所の用地は1キロメートルほどしか離れていない。

 鉄道の沿線には細長い土地が未利用のまま残っているところが多い。騒音の問題もあって住宅地などに転用することが難しい半面、平坦で太陽光パネルを設置するのに向いている。JR東日本がメガソーラーを建設する用地も沿線の細長い土地で、2カ所を合わせると約7万平方メートルに及ぶ(図2)。

図2 男鹿線沿線の用地(上)、奥羽本線沿線の用地(下)。出典:JR東日本

 発電能力は合計して3.1MW(メガワット)になり、年間に約400万kWhの発電量を見込んでいる。一般家庭で1100世帯分の電力使用量に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は14.7%を想定していて、全国標準の13%を大きく上回る。秋田県は全国の中でも日照時間が短い地域だが、JR東日本は高効率の太陽光発電を目指す。

 2カ所のメガソーラーともに2015年3月までに運転を開始する。これまでにJR東日本は千葉県の車両センターに1MWのメガソーラーを稼働させたほか、茨城県の常磐線沿線で4.2MWのメガソーラーを建設中である(図3)。新たにメガソーラーを建設する秋田県の2カ所のほかにも、岩手・新潟・群馬の3県の沿線で導入を検討している。

図3 JR東日本のメガソーラー展開計画(2014年4月時点)。出典:JR東日本

 JR東日本は大震災後に策定した「グループ経営構想V(ファイブ)」の中で、青森・岩手・秋田の北東北3県を対象に「再生可能エネルギー基地」を構築する計画を推進中だ。秋田県では秋田市内を走る羽越本線の沿線にある社有地で風力発電の導入に向けた風況調査を2014年3月から開始している。

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