東邦ガスは2014年10月1日、マンション向けエネファームを発売した。既に多くの不動産開発事業者から引き合いを得ているとしており、第1号案件は名古屋市内のマンションとなる模様だ。年間光熱費を4万9000円程度節減できるという。
東邦ガスは2014年10月1日、マンション向けエネファームを発売した。既に多くの不動産開発事業者から引き合いを得ているとしており、第1号案件は名古屋市内のマンションとなる模様だ。「3人家族の標準家庭で年間光熱費を4万9000円程度節減できる」(東邦ガス)。
同社が発売したのは、パナソニックが開発したマンション専用の機種*1)。エネファームは戸建て住宅用の燃料電池システムとして開発されたため、これまではマンションへの設置には向かなかった。マンションに設置しやすいよう主要な3つの要素(燃料電池ユニット、貯湯ユニット、バックアップ給湯器)の形状を工夫している。図1にあるようにマンションのパイプシャフトにうまく収まっている。パイプシャフトとは、マンションの上下階を貫通する給水管やガス管などを収納するスペースであり、玄関横に配置されることが多い。
マンションの開放廊下(外廊下)に設置した場合、風の影響が大きい。新製品は秒速30mの風に耐えられるよう機器本体の気密性、耐風性を高めている。耐震性も高いという。
*1) 発電出力200〜750W、発電効率39%、(熱回収効率を合わせた)総合効率95%。貯湯タンクに147Lの湯を蓄えることが可能。
東邦ガスのエネファームの採用が内定しているのは、三井不動産レジデンシャルの「(仮称)中区上前津二丁目計画」(名古屋市中区上前津)。2016年12月の完成を予定する。
地上19階建ての鉄筋コンクリート造りであり、総戸数は123戸。「1階を除く18フロアに各1戸ずつエネファームを導入した住宅を用意する予定」(東邦ガス)という。
エネファームの普及促進団体であるエネファームパートナーズは2014年9月29日に、エネファームの累計販売台数が10万台を突破したと発表している*2)。2009年5月に発売開始後、5年あまりで達成した形だ。
東邦ガスは2014年度の販売台数として、2300台を見込む。これは戸建て住宅用とマンション用を合わせた数字だ。
*2) 2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、2020年に140万台、2030年に530万台の普及を目指すという目標が掲げられている。530万台が普及すると全国の世帯数の1割を超えることになる。
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