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» 2014年10月03日 15時00分 UPDATE

電力供給サービス:全国8地域で夏の最大需要が減少、太陽光発電の供給力は3倍に拡大

今年の夏は北海道と東北を除く8つの地域で最大需要が前年を下回った。特に中部・関西・九州では5%以上も減少した。西日本の気温が低めだったことに加えて、節電効果が予想を上回った。一方で太陽光による供給力が3倍に拡大して、最大需要の4%をカバーできる水準に達した。

[石田雅也,スマートジャパン]

 夏の電力は日中の冷房によって一気に上昇して、14時台の前後にピークに到達する。従来は最高気温が高くなるほど最大需要も伸びたが、この法則が次第に当てはまらなくなりつつある。冷房の温度設定による節電が企業でも家庭でも定着して、電力の需要が最高気温に左右されにくくなってきた。

 実際に全国各地の最大需要を2014年度と2013年度で比較してみると、そうした傾向が表れている。2014年度の最大需要が2013年度を上回ったのは北海道と東北だけで、残る8地域はいずれも最大需要が減少した(図1)。ところが最高気温を比べると、北海道と東北のほかに東京・中国・四国でも2014年度のほうが高かった。

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jukyu2013summer1_sj.jpg 図1 2014年度(上)と2013年度(下)の夏季の需給状況。出典:電力需給検証小委員会

 例えば東京では最高気温が1.2度も高くて、最大需要は113万kWも減少している。中部では最高気温が0.2度だけ低い状態で、最大需要は171万kWも少なくなった。比率にして6.5%の大幅な減少である。このほかに関西と九州でも5%を超える減少だったが、最高気温が1度以上も低かったため(関西は1.1度、九州は2.3度)、節電効果の大きさは見極めにくい。

 政府の電力需給検証小委員会によると、2014年度の夏は全国10地域すべてで最大需要が見通しを下回った(図2)。その差分を「気温」「経済」「節電」の3つの要因に分けて検証した結果、半分以上は「経済」と「節電」によるもので、「気温」の影響は半分以下だった。「経済」の影響には景気による電力需要の変動に加えて、電力会社から新電力や自家発電へ移行した減少分も含まれる。

jukyu2014summer2_sj.jpg 図2 2014年度夏季の最大需要の実績と見通しの差分(画像をクリックすると拡大)。出典:電力需給検証小委員会

 供給力の面では太陽光発電の増加が目を引く。沖縄を除く9つの地域で最大需要が発生した日に太陽光発電がもたらした電力は合計で633万kWにのぼった(図3)。2013年度には220万kWだったことから、1年間で3倍近い規模に拡大した。9地域の最大需要を合計すると1億5545万kWで、そのうち約4%を太陽光発電で供給したことになる。

jukyu2014summer3_sj.jpg 図3 2014年度夏季の太陽光発電による供給力(画像をクリックすると拡大)。出典:電力需給検証小委員会

 夏は電力需要が増加する時間帯に太陽光発電の出力も大きくなるため、需給バランスの点でも有効である。次の2015年度の夏には、太陽光発電だけで最大需要の5%以上をカバーできる見通しだ。九州をはじめ全国各地で太陽光発電の増加による需給バランスの問題が浮上しているが、需要が少なくなる季節や時間帯に火力発電の出力を調整するなどの対策が望まれる。

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