変換効率19.9%、単結晶太陽電池を発売蓄電・発電機器

アブリテックジャパンは2014年11月から、単結晶シリコン太陽電池セルを用いた高効率太陽電池モジュール「6MN6A285」の販売を開始する。価格は19万4400円(税込)。

» 2014年10月21日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 アブリテックジャパンは2014年11月から、単結晶シリコン太陽電池セルを用いた高効率太陽電池モジュール「6MN6A285」の販売を開始する。価格は19万4400円(税込)。

 変換効率が19.9%と高く、モジュール1枚の最大出力は285W。結晶シリコン系太陽電池モジュールとしてはトップクラスの発電効率だとした。

 従来品の「6MN6A250」と比較すると、出力が35W高まっている。このため、10kWの出力を得る際に必要な太陽電池モジュールの枚数が従来品の40枚から36枚に減る。新製品の寸法(1620mm×975mm×35mm)は従来製品と同じであるため、10kWを得るために必要な屋根の面積が約10%少なくて済む*1)

 図1に6MN6A285の外観を示す。156mm角の太陽電池セルを6×10枚配置した。最大出力に対する温度係数は−0.42%/度。

*1) 東京都で真南を向いた20度の屋根に36枚の太陽電池モジュールを設置した場合の出力は10.26kW。年間予想発電量は1万674kWhだという。パワーコンディショナー(KP55K2)を2台、接続箱(KTN-CBS4C-R)を2台、接続ケーブル(20m)を6組用いたときの試算値である。

図1 単結晶シリコン太陽電池モジュール「6MN6A285」 出典:アブリテックジャパン

 「当社は太陽電池モジュールメーカーである台湾AblyTekの日本法人であり、新製品もセルを外部から調達して製造している。新製品の出力が285Wと高まったのは、従来の250W品よりも高出力のセルを採用したためだ」(アブリテックジャパン)。

 出力が高いだけでなく、出荷前チェックや品質保証にも力を入れているという。台湾本社工場内で設計、組み立てを完結させており、製造時にEL(Electro Luminescence)検査を合計3回実施しているため、太陽電池セルの細かい割れ(マイクロクラック)を排除でき、長期の出力保証に耐える製品を製造できるとした。

 10年後まで出力下限値(公称最大出力の90%)の90%を保証、10年後〜25年後は同80%を保証する。出力がこの数値を下回ったときはモジュールの無償交換に応じるという。太陽電池モジュール単独ではなく、システムとして導入した場合は、自然災害補償も付く。

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