可搬型エネルギーの時代、電動工具の進化に潮目を見る和田憲一郎が語るエネルギーの近未来(5)(2/5 ページ)

» 2014年10月23日 07時00分 公開

18Vが中核となる

和田氏 さまざまな出力電圧の蓄電池がある。どのように使い分けているのか。

金澤氏 当社が利用してきた電池の歴史から言えば、ニッカド(ニッケルカドミウム蓄電池)からニッケル水素蓄電池、そして現在のリチウムイオン蓄電池へと進化してきた。ニッカド時代は12Vが主流で、18V品は大きく重かった。プロユーザーが使う充電式の主流電圧は、現在14.4V〜18Vだ(図2)。よりハイパワーが得られる36Vはまだ少ない。同じ36Vでも、18Vを2個直列で使用するタイプもある。こちらは多くのユーザーが所有している18Vの蓄電池がそのまま使えるので、今後有望だと考えている。なお、軽負荷作業中心の用途やホームユーザー、あるいは新興国では安価な7.2Vや10.8Vも多く使われている。

図2 マキタの充電式工具 18V対応品が多い。 出典:マキタ

和田氏 搭載するリチウムイオン蓄電池は内製品なのか。それとも外部からの調達品なのか。

金澤氏 「リチウムイオン電池パック」の内製・外注についての回答は差し控えたい。電池パックには、セルのみならず電池の制御系基板も含まれている(図3)。そのため、電動工具用としての性能や品質を「マキタ基準」として厳しく設定・管理している。

図3 「リチウムイオン電池パック」の構造 出典:マキタ

和田氏 電池パックに関して、使用上の保証はあるのか。

金澤氏 電池に限らず、マキタ製品全般についても一律何年保証という制度はとっていない。顧客の要望や問い合わせは、日本全国114カ所の営業所で対応しており、バッテリーチェッカーを用いて状態を確認できる体制を整えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.