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» 2014年10月27日 09時00分 UPDATE

LED照明:300m先でも本が読めるLED、3つの新技術で実現 (1/2)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と四国計測工業、STEQ、鹿児島大学は、従来の高圧水銀ランプなどを置き換えることが可能な高輝度・大容量のLED照明を開発した。投光器や高天井用照明として役立つ。効率が高いため、省エネに役立つ他、色の再現性も改善した。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と四国計測工業は、2014年10月、超高輝度・大光量のLED照明を開発したと発表した*1)。従来、高天井照明や投光器などに用いられてきた高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)を置き換える目的で開発したもの。四国計測工業は開発品の照明器具と光源の販売を「MIRACH-LED」シリーズとして開始した。

 LEDモジュールとして機能する単一の面光源としては、明るさ(光束)が世界最高クラスであるという。定格光束は6万3200〜6万8000lm(ルーメン)。開発した光源を高輝度ランプに組み込むと、例えば投光器では従来の約53%の電力で同等の照度を得ることができ、省エネルギーに役立つ(図1)。高天井用照明では約64%の省エネだ。

 図1では得られる照度が等しくなるよう、照明の器具の数量をそろえている。例えば図1左に示した投光器の場合は、消費電力1085Wのメタルハライドランプ(HIDランプの一種)を126台配置した場合と同じ照度を、消費電力600WのLED投光器108台で得ている。

*1) NEDOのプロジェクト「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、2012年度に採択され、2013年度に終了した事業。四国計測工業が鹿児島大学、LEDパッケージ技術などに強みがあるSTEQと共同研究の形で進めた。

yh20141027NEDO_LED_energy_583px.jpg 図1 新開発のLED光源を利用した照明器具の省エネルギー性能 出典:NEDO、四国計測工業

2種類の照明器具に組み込む

 開発した円形のLEDモジュール(図2右)を利用して、2種類の照明器具を作り上げた。いずれも平均演色評価数(Ra)が80である。水銀ランプのRaは40〜50であるため、従来の照明器具よりもより、白熱電球に近い自然な色彩を再現できる。このため、公式競技など色再現性が必要なテレビや映画などの撮影にも利用可能だという。色温度は色温度は5000K相当(昼白色)。

 1つ目は投光器(図2右)。運動場や工場、駐車場、公園、ライトアップなどに向く照明だ。定格光束が6万3200lmと高いため、300m先でも本や新聞を読むことが可能な照度(5lx、ルクス)を得ることができる。発光効率(固有エネルギー消費効率)は、105lm/W*2)。図1に示したグラフのうち、左側に相当する。寿命は4万時間、照明前面の直径は482mmだ。

*2) LED照明では電球型の製品で133.3lm/W、蛍光灯を置き換える直管形LEDでは190lm/Wに達している製品があるものの、これほど光束が大きなLED照明としては今回の開発品の効率は高い。

yh20141027NEDO_LED_products_583px.jpg 図2 開発したLED光源(左)と投光器(右)、高天井照明(中央) 出典:NEDO、四国計測工業

 もう1つは高天井照明だ。工場や倉庫、ホール、体育館など天井が高い屋内施設に向く。光を放出する角度によって、広角タイプと中角タイプ、狭角タイプがある。いずれも寿命は6万時間と長い。照明前面の直径は435mmだ。

 広角タイプは定格光束が6万8000lm。今回開発した4つの製品のうち最も明るく、高効率だ。15mの高さに設置したとき、床面で100lx以上の照度が得られる。固有エネルギー消費効率は113lm/W。

 中角タイプは定格光束が6万6000lm。光が広角タイプよりも集中するため、25mの高さに設置しても100lx以上の照度が得られる。固有エネルギー効率は110lm/W。図1の右側のグラフに省エネ効果を示した。

 狭角タイプの定格光束は6万5400lm。30mの高さに設置したとき、床面の照度は200lx以上。固有エネルギー消費効率は109lm/W。

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