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» 2014年11月06日 14時30分 UPDATE

電力供給サービス:天然ガスなら10分で起動、新電力が1.5万kW級発電所

川崎重工業は2014年11月、新電力事業を進める静岡ガス&パワーから発電容量1万5000kW級の発電所建設工事を受注したと発表した。2016年1月の運転開始を予定する。新電力では電力の同時同量が要求されるため、10分間で最大出力に達するガスエンジンが役立つという。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20141106kawasaki_map_250px.png 図1 静岡県富士市の位置

 川崎重工業は2014年11月、新電力(PPS)事業を進める静岡ガス&パワーから発電容量1万5000kW級(15MW級)の発電所建設工事を受注したと発表した。設計から発電機器供給、据え付け、土木建設からなる建設工事一式をフルターンキーとして受注、受注額は推定数十億円と見られる。静岡県富士市に建設し、2015年4月に着工、2016年1月の運転開始を予定する(図1)。

 静岡ガスは2014年7月に総合エネルギー事業を推進するために電力事業会社である静岡ガス&パワーを設立、静岡ガス&パワーは2016年をめどに静岡県東部地域から電力供給を開始する予定だ。「東部地域とは富士川よりも東側、東京電力管内である」(静岡ガス)。

 静岡ガス&パワーの電力事業モデルは3つの要素からなる。地域エネルギーの有効活用と自社電源の活用、地域活性化への貢献だ。地域エネルギーの有効活用では、地域の工場の自家発電のうち、余った電力や再生可能エネルギーによる電力を買い取る。

 自社電源の活用は、第1の事業モデルと組み合わせることで強みになる。ガスコージェネレーション用の発電所を新設し、買い取った電力と組み合わせて電力の同時同量を自社電源で調整できるようにすることだ。「川崎重工業に発注したのはこのガスコージェネレーション用の発電所だ」(静岡ガス)。

10分で起動できる発電機

 川崎重工業は受注に至った理由として次のように説明している。供給するガスエンジン発電機が経済性に優れ、需給調整にも対応可能な新電力向けの調整ミドル用自社電源として最適だという理由だ。ここでいう経済性とはさまざまな発電設備を組み合わせて発電することで、発電コストを最適化できることをいう。

 静岡ガス&パワーは、他の電源と組み合わせて今回の発電所を利用するため、調整能力が重要になる。川崎重工業によれば、納入する「カワサキグリーンガスエンジン(KG-18-V)」は、LNG(液化天然ガス)を燃料として、10分間で最大負荷に達することができ、毎日起動発停をくり返すDSS(Daily Start and Stop)運転に適するという。「負荷率が30%を上回る限り、長期間の連続運転が可能だ」(川崎重工業)。

 カワサキグリーンガスエンジンの出力は7800kW(図2)。これを2基組み合わせる。複数台を効率的に運用することで、発電所運営のフレキシビリティーが向上する他、リスクを低減できるとした。

 この他、発電効率が49.5%と高いこと、運転時に排出する窒素酸化物(NOx)が少ないことも利点だという。

yh20141106kawasaki_engine_590px.jpg 図2 カワサキグリーンガスエンジンの外観(クリックで拡大) 出典:川崎重工業

【追加情報】本文第1段落に着工時期を、第6段階に連続運転について加筆しました。(2014年11月7日)

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