電気代を「60%削減」、コンビニで15種類の技術が光るスマートショップ(1/2 ページ)

ローソンは2014年11月12日、愛知県に新店舗「ローソン豊橋明海工業団地店」を開店した。最大の特徴は電気使用量が2010年比で約60%削減できること。これは同社の店舗として最大の削減率だ。CO2冷媒冷蔵ケースとLED照明の効果が大きいという。

» 2014年11月12日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
図1 愛知県豊橋市と新店舗の位置

 ローソンは2014年11月12日、愛知県に新店舗「ローソン豊橋明海工業団地店」(豊橋市明海町)を開店した(図1)*1)。最大の特徴は電気使用量が2010年比で約60%削減できること。これは同社の店舗として最大の削減率だ。

 同社は最新の省エネルギー技術を数多く導入した環境配慮型の実験店舗を2008年から各地で展開している。今回は7店舗目だ(関連記事)。

 「今回の新店舗に対する設備投資額は通常店舗と比べて約2倍だ」(同社)。これは15種類ものエネルギー関連技術を導入しているためだ。今後新店舗を運営し、効果が大きいことが分かった技術を既存店に導入していく。

 図2に新店舗内に配置したエネルギー関連技術の位置を示した。導入した技術は大きく3種類に分かれる。図2では3種類の技術を色分けして示した。建物の断熱・遮熱性能向上(赤)、自然エネルギーの活用(緑)、機器性能の向上(青)である*2)。図2では左上側が南になる。

*1) 同店舗の店舗面積は218.2m2(66.0坪)、売り場面積は198.3m2(59.98坪)。
*2) 技術1「店舗前面ガラスの二重化(ダブルスキン)」と技術8「蓄熱式放射パネル」、技術10「重力換気システム」はコンビニ業界初の取り組み、技術9「アースチューブ」と技術13「デシカント空調機」はローソンが新店舗において初めて採用した技術。

図2 ローソン豊橋明海工業団地店に導入された15の技術の配置 出典:ローソン

最も役立つのは「二酸化炭素」と「LED」

 「導入した15種類の技術のうち、最も効果が高いものは2つある。『CO2冷媒冷蔵ケース』(技術12)と『LED照明』(技術14)だ」(ローソン)*3)。CO2冷媒冷蔵ケースは冷媒にフロンではなく二酸化炭素を利用した機器。同社が2013年に立ち上げた環境配慮型の実験店舗でも効果を発揮した技術だ。扉付きのショーケースとすることで冷気漏れを防ぐなど、効率向上策を講じた。

 LED照明の工夫はこうだ。「店舗の照明は一様であることが多いだろう。今回の新店舗ではセンサーを利用して(直管形LEDを)調光するため、例えば日光が入りやすい店舗の入り口側の明るさを抑えることがたやすい。天候(日照)の変化に応じた制御もできる」(ローソン)。

*3) いずれも機器性能の向上(青)に属する技術。「人工知能制御(EMS)」も機器性能の向上に含まれる。機器性能の向上に属する技術はもう1つある。湿度を制御できる「デシカント空調機」(技術13)だ。結露を抑制し、快適な体感温度を実現できるという。

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