炭化ケイ素で構造強化、住宅用230Wの太陽電池蓄電・発電機器

日立アプライアンスは2014年11月20日、単結晶シリコンセルを用いた太陽電池モジュール「HSS-M230CB」を発売する。住宅の屋根置き用途に向けた新製品である。最大出力は230W、価格は14万円。

» 2014年11月12日 16時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 日立アプライアンスは2014年11月20日、単結晶シリコンセルを用いた太陽電池モジュール「HSS-M230CB」を発売する(図1)。住宅の屋根置き用途に向けた新製品である。最大出力は230W、価格は14万円(税別)。

 特徴は2つある。1つは変換効率が高いこと。モジュール変換効率は17.0%(セル変換効率20.9%)。PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造を採用し、入射した太陽光を内部で乱反射、拡散することで発電に寄与する光の量を増やした。

 もう1つは炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイド)を太陽電池セルの背面にコーティングしたこと。目的は2つある。第1に放熱性を高めること。温度係数は−0.4371%/度である。第2に薄いシリコン層に微細な割れ(マイクロクラック)が入ることを防ぐためだ。経年変化による太陽電池の出力低下を抑える働きがある。

図1 太陽電池モジュール「HSS-M230CB」の外観 出典:日立アプライアンス

 新製品は太陽電池セルを48枚利用している。太陽電池モジュールの寸法は1347mm×999mm×35mm。重量は約15.7kg。

 日立アプライアンスは単結晶シリコンセルを用いた太陽電池モジュールを2種類(48セル210W、36セル105W)と化合物(CIS)系モジュール1製品(165W)を販売しており、今回の新製品は4製品目に当たる。

 同社は製品保証期間を10年間に延長し、太陽電池モジュールやパワーコンディショナー、接続箱以外に、新たに同社製の架台と金具を対象とした(定期点検実施時に10年間)。出力保証期間は25年、25年後に初期出力の81.18%を保証する。

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