地域によっては業務用と同様に割安なメニューを用意している。特に中部電力のメニューが多彩で、日中と夜間の電力使用量の比率によって最適な契約タイプを選ぶことができる。電力量料金の単価が季節と時間帯の両方で変動する「第1種(季時別)」と、季節だけで決まる「第2種(季節別)」の2種類がある(図4)。
日中に比べて夜間の使用量が多い場合には、時間帯で単価が変わる第1種が適している。夜間の単価が安くなるからだ。その代わりに昼間の単価は高く設定されているので、夜間の使用率が低い場合には第2種のほうが割安になる。
第1種の夜間(22時〜8時)の単価は第2種と比べて7〜13%も安くなる一方、昼間の「重負荷時間」(夏季10時〜17時)になると16〜23%も高くなってしまう(図5)。大規模な工場で夏の操業日数や操業時間が短い場合には、第1種を適用すると電気料金を削減できる可能性が大いにある。
2016年4月から家庭向けの小売も自由化されて、電力市場の競争が活発になることは確実だ。発電事業者と小売事業者が全国各地で競争を繰り広げる結果、企業向けの価格競争も激しくなっていく。各社のメニューを比較しながら電気料金を安くできる時代が目前に迫ってきた。
(連載終了)
第1回:「家庭の電気料金は地域で3割以上の差に、北海道が最高、北陸が最安」
第2回:「店舗や工場が利用する低圧電力、自由化を前に東京の単価は北陸の1.5倍」
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