三井不動産は2014年12月、福岡県で「三井不動産大牟田太陽光発電所」が完成、運転を開始したと発表した。三井金属工業の遊休地を利用して6MWの出力を実現した。2012年から取り組む5カ所の太陽光発電所の開発が一段落した形だ。
三井不動産は2014年12月、福岡県で「三井不動産大牟田太陽光発電所」(大牟田市唐船)が完成、運転を開始したと発表した(図1)。
発電所の出力は約6MW。想定年間発電量は約670万kWh。これは一般家庭1800世帯分に相当する。固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を20年間、九州電力に売電する。買取価格は40円(税別)。
三井不動産が事業主。設計・調達・建設(EPC)と管理・運営(O&M)は東光電気工事。2013年10月に着工後、東芝の太陽電池モジュールを約2万4500枚設置した。パワーコンディショナーも東芝製。
図2が発電所の外観だ。太陽電池モジュールの設置パターンが平板ではない理由は2つある。「もともと地形に高低差がある。もう1つは工場跡地を利用しているため、当時の基礎を含めた地盤を利用して設置したことだ。地盤の整備状況に応じた配置である」(三井不動産)。
三井不動産は顧客の企業に対して、顧客の保有する不動産の有効活用策を提案している。2012年から取り組む太陽光発電事業はこの有効活用策の一環だ。三井不動産大牟田太陽光発電所は、三井金属工業が所有する遊休地の活用策である。約7.4haの土地を利用した。
三井不動産は今回の事例を含めた5施設で太陽光発電所に関する当初の計画をほぼ完了した形だ(関連記事)。
これまでに完成した発電所は以下の3カ所である。太平洋セメントの所有地を利用した「山陽小野田太陽光発電所」(山口県山陽小野田市、約13MW、2013年12月運転開始)、電気化学工業と日本ゼオンの所有地を用いた「苫小牧太陽光発電所」(北海道苫小牧市、約24MW、2014年4月運転開始、関連記事)、古河金属工業の所有地に建設した「八戸太陽光発電所」(青森県八戸市、約8MW、2014年10月運転開始)。
三井造船の所有地を活用した「大分太陽光発電所」(大分市、約17MW)は、2013年12月に運転を開始後、さらに隣接する同社の土地4haに約4MW分の太陽電池モジュールを増設、合計約21MWまで出力を高める(図3)。2015年1月に増設分の運転を開始する予定だ。
増設が完了すると5カ所の合計出力は約72MWとなり、想定年間発電量は約7600万kWhに達する。これは一般家庭2万1000世帯分の年間消費電力量に相当する。
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