太陽光で見守り、独立して動作するセキュリティシステム蓄電・発電機器

デンソーは2014年12月、太陽光発電によって電力をまかなうセキュリティシステム「エネる D」を開発、2015年2月から販売を開始すると発表した。レーザーエリアセンサーとカメラを備えており、農園や公園、建設現場などにも適するという。

» 2014年12月10日 15時50分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 デンソーは2014年12月、太陽光発電によって自らの電力をまかなうセキュリティシステム「エネる D」を開発、2015年2月から販売を開始すると発表した(図1)。屋外電源がなくても完全に自立して動作するため、農園や公園、建設現場などにも適するという。「最小構成時の価格は、工事費を除いて200万円」(同社)。

 2013年4月に発売した遠隔見守りシステム製品「ZONE D」に独立電源を追加した形だ。レーザーエリアセンサーとカメラを備えており、侵入を検知、動画・静止画を撮影できる。レーザーエリアセンサーの有効距離は30m、180度の範囲を検知できる。外部とは無線で接続する*1)。侵入者を威嚇するために、サイレンやフラッシュライトを設置できる。

*1) 機器を増設することで、エネる D自体を災害時に役立つWi-Fiスポットとして利用可能。

図1 エネる Dの外観 出典:デンソー

 エネる Dの電源は、システム上部に設けた太陽電池モジュール(245W)と内蔵蓄電池(図1下)。

 デンソーは蓄電池システムの開発を手掛けるキャプテックスと共同で、バンク制御技術を開発した。同技術を利用すると、太陽光発電によって蓄電池に充電しながら放電することができる。これによって蓄電池の容量を抑えることができ、低コスト化が可能になったという。システムの利用時間は犠牲になっていない。「最小構成の場合、太陽光発電が停止してから48時間連続して機能する」(同社)。

 エネる Dの寸法は、基礎が1400×1000mm。長さ3.5mのポールを利用する。システムの地上高さは3m。「最大風速35m/sに耐える。ただし、積雪には対応していない」(同社)。

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