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» 2015年01月14日 11時00分 UPDATE

スマートシティ:コージェネと太陽光でダブル発電、昼間に売電して夜間にピークカット

愛知県の企業庁は1974年から稼働している浄水場に2種類の発電設備を導入する。天然ガスによるコージェネレーションを昼間のベースロード電源に利用するのと合わせて、敷地内にメガソーラーを設置して余剰電力を売電する計画だ。夜間は安い電力を購入してコージェネをピークカットに使う。

[石田雅也,スマートジャパン]

 自家発電設備を導入する「犬山浄水場」は愛知県で最大の給水能力がある(図1)。1974年の給水開始から施設の拡張を続けてきたが、排水処理設備の更新が必要になったことから、合わせて自家発電設備を導入して運営コストの低減と災害対策の強化を図る考えだ。

aichi_inuyama0_sj.jpg 図1 「犬山浄水場」の全景(左)、発電設備の完成イメージ(右)。出典:愛知県企業庁

 犬山浄水場では3台の導水ポンプを運転している時に最大の電力を消費する。現在は中部電力とのあいだで5500kWの受電契約を結んで電力を購入している。これに対応して発電能力が1000kWのガスコージェネレーションシステム6基を導入するほか、太陽光で最大3100kWの発電を可能にする計画だ。コージェネ用にLNG(液化天然ガス)の貯蔵タンク2基を敷地内に設置する。

 昼間にはコージェネを主力のベースロード電源に利用して、一部を太陽光発電で補う(図2)。太陽光による余剰電力は固定価格買取制度で売電する。その一方で夜間には中部電力から安い電力を購入して、消費量が増加する時間帯だけコージェネを稼働させてピークをカットする。契約電力を引き下げて電気料金を抑える狙いだ。さらにコージェネの熱を利用して排水処理設備の効率も20〜30%高めることが可能になる。

aichi_inuyama3_sj.jpg 図2 自家発電設備の導入による昼間と夜間の電力利用イメージ(実際に導入する設備はコージェネ6000kWと太陽光3100kW。画像をクリックすると拡大)。出典:愛知県企業庁

 犬山浄水場を運営する愛知県の企業庁は民間企業のノウハウを活用するPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)方式を採用して、排水処理設備と発電設備の導入・運営を「尾張ウォーター&エナジー(尾張W&E)」に委託する。尾張W&Eは月島機械グループと三菱電機が共同で設立した特定目的会社で、2017年3月までに建設工事を完了して2037年3月までの20年間にわたって事業を運営する予定である。

 この事業には別の地域にある「尾張西部浄水場」の排水処理設備も含んでいる。愛知県が尾張W&Eと締結した契約は総額で約89億5000万円(税抜き)にのぼるが、事業者を公募する際に設定した入札予定価格の約112億円(同)を20%も下回った。県の負担額は従来と比べて28%削減できる見込みだ。

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