「環境未来島」でメガソーラーが稼働、産業用地を自然エネルギーの拠点にスマートシティ

「持続する環境の島」を目指す兵庫県の淡路島で、再生可能エネルギーによる発電設備が続々と動き出している。新たに兵庫県の企業庁が産業用の埋立地に2MWのメガソーラーを稼働させた。企業庁が直営方式で建設するメガソーラーは県内の10カ所に広がり、発電規模は30MWまで拡大した。

» 2015年01月15日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 全国の自治体の中でも兵庫県の再生可能エネルギーに対する取り組みは積極的だ。県と市町村それぞれで自然エネルギーを活用した発電設備の拡大を進めていて、その象徴的な場所が淡路島である。2012年から「あわじ環境未来島構想」のもと、エネルギーの自給自足を目指している。

 兵庫県の企業庁は淡路島の東側の沿岸部にある埋立地にメガソーラーを建設して、1月13日に運転を開始した(図1)。発電能力は2MW(メガワット)で、年間に220万kWhの電力を供給する予定だ。一般家庭で約600世帯分に相当する規模になる。企業庁の発電事業の一環で、発電した電力は固定価格買取制度を通じて関西電力に売電する。

図1 「佐野太陽光発電所」の全景。出典:兵庫県企業庁

 メガソーラーを建設した埋立地は大阪湾に面している。企業庁が産業用地として1990年代に開発した分譲地だが、工場の誘致が計画どおりに進まず、空き地の状態だった。同じ埋立地には企業庁の公募によって大阪の民間企業が7MWのメガソーラーを2014年3月に稼働させている(図2)。2つのメガソーラーを合わせると2800世帯分の電力になり、淡路市の総世帯数(約2万世帯)の14%をカバーすることができる。

図2 「あわじ佐野新島太陽光発電所」の設置状況。出典:兵庫県企業庁

 兵庫県の企業庁は県内各地に保有する土地を活用した直営の太陽光発電事業を「メガソーラープロジェクト」として展開中だ(図3)。これまでに10カ所で発電所の建設を決めて、淡路島のメガソーラーで8カ所が運転を開始した。2015年度中に10カ所すべてが稼働する予定で、発電規模を合計すると30MWに達する。その中にはダムの斜面を利用したメガソーラーが3カ所もあり、ユニークな取り組みとして注目を集めている。

図3 兵庫県企業庁の「メガソーラープロジェクト」。出典:兵庫県企業庁

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