ハンファソーラーパワー杵築の想定年間発電量は約2500万kWh。設備利用率を計算すると、約12%となる。一般的な太陽光発電所と比較して遜色はない。山肌をそのまま利用した施工方法でも発電に与える影響が大きくないことが分かる。「それぞれの設置位置で、太陽光の入射角と発電量を算出するソフトウェアを利用して配置を設計した」(同社)。
年間発電量を一般家庭の消費電力量に当てはめると約7190世帯分に相当する。これは杵築市の世帯数の5割強だ。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して20年間、九州電力に全量を売電する。
ハンファソーラーパワー杵築の事業主は、ハンファQセルズジャパンとハンファエナジーが出資した特別目的会社(SPC)であるハンファソーラーパワー杵築。設計・調達・建設(EPC)は九電工と森田建設が担当した。完成後の管理・運営は九電工が当たる。
太陽電池モジュールとしてハンファQセルズの「Q.PRO-G3」(出力250W品)を9万7880枚用いた。パワーコンディショナーは東芝三菱電機産業システムの製品を採用した。図3からは「山裾」にパワーコンディショナーを配置したことが分かる。
ハンファQセルズジャパンは年間100MWの自社太陽光発電所の立ち上げを目指している。これまでに完成したのは「阿波西ソーラーヒルズ発電所」(徳島県阿波市、2MW、2013年7月運転開始)と「ハンファソーラーパワー釧路発電所」(北海道釧路市、0.8MW、2014年12月運転開始)の2か所。
現在建設中の発電所も2カ所ある。既存の発電所と隣接したもの(北海道釧路市、約1.2MW)と既存の発電所と同じ地区にあるもの(徳島県阿波市、約3MW)である。
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