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» 2015年01月30日 09時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:スマートシティに2種類の蓄電池、災害時にも1700世帯分の電力

日本で最先端のエネルギー供給体制を構築中の「柏の葉スマートシティ」で、2種類の蓄電池を組み合わせた電力融通のシステムが動き始めた。商業施設に大容量の蓄電池を新規に導入して、隣接するオフィスビルとのあいだで双方向に電力を融通できる体制が整った。

[石田雅也,スマートジャパン]

 千葉県の柏市で開発が進む「柏の葉スマートシティ」の最大の特徴は、太陽光発電と蓄電池による分散型の電力供給ネットワークを導入する点にある。街の中心に建つ商業施設とオフィスビルに太陽光発電システムと大容量の蓄電池を設置して、地域内の需給状況に応じて電力を融通し合う仕組みだ。

 2014年7月にオフィスビルの「ゲートスクエア」にリチウムイオン電池を導入したのに続いて、2015年1月には商業施設の「ららぽーと柏の葉」にNAS(ナトリウム硫黄)電池を設置してシステムが完成した(図1)。平日の昼間に電力の需要が多いオフィスビルと、夜間や休日に電力の使用量が増える商業施設のあいだで、相互に電力を融通してピークを抑えることができる。

kashiwanoha1_sj.jpg 図1 「ららぽーと柏の葉」に設置したNAS電池(左)、平常時と非常時の電力融通(右)。出典:三井不動産、日本ガイシ

 2つのビルで電力を融通し合うことにより、周辺の住宅を含む地域全体の電力需要のピークは26%低くなる予定だ。電力会社から購入する電力量を削減できるため、2つのビルを合わせた電気料金が年間に約1000万円も安くなる。さらに災害が発生して電力会社からの供給が止まっても、太陽光発電と蓄電池に加えて非常用のガス発電機を使って電力の供給を続けることができる(図2)。

kashiwanoha2_sj.jpg 図2 非常時(停電発生時)の電力融通の仕組み。出典:三井不動産、日本ガイシ

 商業施設に導入したNAS電池は出力が1800kWあり、蓄電できる容量は1万2960kWhにのぼる。一般の家庭が1日に使う電力量(10kWh)で換算して約1300世帯分に相当する。一方のオフィスビルに設置したリチウムイオン電池は出力が500kW、蓄電容量は3836kWhである。2つの蓄電池を合わせて約1700世帯分の電力を供給することが可能になった。

 2種類のうちNAS電池は容量を大きくできる点が特徴である。最近では太陽光や風力の出力変動を吸収するために、大規模な発電設備や変電所などに導入するケースが増えている。一方のリチウムイオン電池はNAS電池に比べて小型で価格が安い。電気自動車に搭載されているほか、住宅やオフィスビルのバックアップ電源に向いている。

特集記事(2014年4月28日掲載):「太陽光発電と電力融通で年間1000万円を削減、平日はオフィス、休日は商業施設へ」

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