直径101メートルの大型風車6基が回る、秋田港で3MWの風力発電機が稼働自然エネルギー

風力発電の導入が活発に進んでいる秋田県の日本海沿岸で、ドイツ製の大型風車6基が運転を開始した。羽根の回転直径は101メートルに達して、国内の風力発電では最大級の1基あたり3MWの発電能力を発揮する。周辺の沿岸地域は風況に恵まれていて、洋上風力発電所の建設計画も始まる。

» 2015年02月05日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 国内で20カ所以上の風力発電所を運営するユーラスエナジーグループが秋田県で大規模な風力発電所を新たに稼働させた。日本海に面した秋田港の沿岸地域で、「ユーラス秋田港ウインドファーム」が2月2日に運転を開始した(図1)。

図1 「ユーラス秋田港ウインドファーム」の風車と所在地。出典:ユーラスエナジーホールディングス

 1基で3MW(メガワット)の発電能力がある大型の風車を合計6基で構成する。ドイツのシーメンス社が開発した最新鋭機を日本で初めて導入した(図2)。3枚の羽根(ブレード)の回転直径は101メートルあって、風速が毎秒3メートル以上で発電することができる。毎秒12〜13メートルの風速で出力が最大になる。

図2 風力発電機の中核部分。出典:シーメンス

 ユーラスエナジーは年間の想定発電量を公表していないが、同じ風力発電機を採用して秋田県内の由利高原に建設中のプロジェクトでは設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を24%で見込んでいる。秋田港でも同様の設備利用率を想定すると、年間の発電量は約3800万kWhになる。一般家庭の電力使用量に換算して1万世帯分を超える。

 秋田港は秋田県の太平洋沿岸でほぼ真ん中に位置していて、年間の平均風速は毎秒7メートル以上になる(図3)。青森県や山形県の沿岸部とともに、国内で有数の風況に恵まれた地域である。

図3 東北地方の年間平均風速。出典:NEDO

 さらに洋上では風速が増して発電量を多く見込めることから、秋田港と能代港の港湾区域を対象に洋上風力発電のプロジェクトも進んでいる。秋田県が2014年12月に事業者の公募を開始して、2015年内に建設計画に着手する予定だ。

 秋田県では固定価格買取制度が始まった2012年から風力発電所の建設プロジェクトが相次いで始まり、2014年10月末時点の累計では合計342MWの風力発電設備が買取制度の認定を受けている。第2位の青森県の245MWを大きく引き離して第1位である。

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