パワーコンディショナーに新機能を追加、全機種を「出力抑制」対応に蓄電・発電機器

経済産業省が2015年1月26日から、省令で施行した太陽光発電を含む出力抑制ルール。日新電機は抑制ルールに対応する機能を全パワーコンディショナーに追加、2015年4月から出荷を開始する。

» 2015年02月18日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 2014年9月末に起こった「九電ショック」(関連記事)。太陽光発電などの発電量が系統の調整能力を超えてしまうため、これ以上の接続の申し込みを電力会社が保留するというものだった。経済産業省は、2015年1月26日に施行した省令で対応を決定(関連記事)。発電設備の出力制御ルールを変えることで、「危機」を回避した形だ。

 ただし、現時点では新ルールはまだ動いていない。冬季は電力需給のバランス上、太陽光発電の出力が問題にならないからだ。新ルールが適用されるのは、冷暖房需要が落ち込む5月ごろだと考えられる。

パワーコンディショナーを細かく制御

 こうした中、日新電機は2015年2月12日、いちはやく、同社のパワーコンディショナー全製品に出力抑制機能を搭載すると発表した。2015年4月1日から対応する。同社によれば主な改良点は出力をリニアに変更する機能だという。「従来は容量を超えた入力をカットする、運転を停止するというモードしか持っていなかった。今回、例えば5%の精度で1%刻みの出力抑制を実行できるようにする」(日新電機)。

 図1に出力抑制機能を有効にしたときの発電イメージを2種類示した。抑制しない場合、図左では赤い線から青い線、再び赤い線へと日射に応じてパワーコンディショナーの出力がゆっくりと上下していく。定格出力の60%を上限とする抑制をかけると、赤い線のように頂上が平たんな出力となる。曇天などにより、発電出力がそれほど高くならない例を図右に示した。ごく一部のピークだけが抑制されている。

図1 出力抑制(60%)を有効にした場合の出力例 出典:日新電機

 もう1つ重要なのは多数のパワーコンディショナーが一気に最大出力にならないようにする仕組みだという。「11時から13時まで出力を抑制する場合、13時になった瞬間に最大出力に切り替わると、その地域の系統に過大な負担が掛かる。そこで例えば10分間かけて、あらかじめ指定した変化率で出力を高める機能を入れ込む」(同社)。

通信経路は対応が容易

 いつ、どの程度出力を抑制するかは、地域の電力会社が決める*1)。電力会社が発した指示をパワーコンディショナーに取り込むことはさほど難しくないという。「当社の設計ではRS-485を通じてパワーコンディショナーを制御する(図2)。遠隔監視システムなどで広く使われているインタフェースだ。電力会社とパワーコンディショナーを通信線で直接接続する運用は考えられていない。事業者の管理用PCやサーバなどを必ず経由する。このため、制御情報を主任技術者が入力する、パワーコンディショナー向けの指示に変換してRS-485に流すといった方法を採る予定だ」(同社)。

*1) 同社によれば一般電気事業者10社は、現時点において制御情報の形式の確定版を公開していないという。

図2 パワーコンディショナーの出力を制御する手法 出典:日新電機

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