販売電力量は6地域で増えるも、東京と関西の落ち込みで前年比0.3%減電力供給サービス

日本海側を中心に厳しい寒さが続いた2015年1月だが、電力会社10社の販売電力量は前年1月の実績を下回る結果になった。6つの地域では前年を上回ったものの、大市場の東京と関西で1%以上も減少したことが響いた。特に企業向けの販売電力量の減少率が大きい。

» 2015年02月27日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 東京電力の2015年1月の販売電力量は前年比1.7%の減少で、10社の中では最大の減少率を記録した(図1)。家庭向けは0.5%減にとどまったが、企業向けが2.6%減と大きく落ち込んだ。同様に関西電力も企業向けが2.8%減少したために、家庭向けは増えたものの全体では1.2%の減少になった。このほかでは九州電力が0.4%減、沖縄電力もわずかながら前年の実績を下回った。

図1 電力会社が2015年1月に販売した電力量の対前年伸び率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 残る6つの地域では販売電力量が増加した。特に東北・北陸・四国は11月から3カ月連続で前年を上回っている。増加率が最も大きいのは北陸電力の2.7%増で、次いで中国電力の2.0%増、東北電力の1.8%の順になる。北海道電力も3カ月ぶりに0.9%増えた。ただし家庭向けは1.1%も減っていて、電気料金を値上げした影響が見られる。

 過去1年間の推移を用途別に見ると、家庭や小規模な商店・工場で利用する「電灯・電力」の販売電力量が9カ月ぶりに前年比でプラスに転じた(図2)。2014年1月も前年から増えていて、冬の電力需要が戻りつつある。

図2 用途別の販売電力量の対前年伸び率(電力会社10社の合計。▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 これに対して企業や自治体が対象になる「特定規模需要」は冬に入っても減少傾向が止まらない。電気料金の上昇に伴って新電力へ移行する企業や自治体が増えてきたことも影響している。次の2月の実績を見れば、冬だけではなくて年間を通した電力需要の先行きを見通すことができる。

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