昼間電力を使わない携帯基地局へ、太陽光と蓄電池を利用エネルギー管理(2/2 ページ)

» 2015年03月12日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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グリーン基地局商用化への一里塚

 同社は2013年、太陽光発電によって運用可能な「グリーン基地局」のフィールド試験を開始、2014年3月までに関東甲信越地方に10カ所のフィールド試験局を置いた*1)。グリーン基地局は太陽光発電によって日中の電源を確保する設備。災害時にも日中の単独稼働が可能になることを目指した。あわせてニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池と接続し、夜間のバックアップ電源も確保する。このとき、太陽光発電、蓄電池、系統電力を使い分けるグリーン電力コントローラーの利用を始めた。

 既存の基地局に後付けで3点セット(太陽光発電、蓄電池、グリーン電力コントローラー)を追加し、グリーン基地局を広めていきたいという狙いがある。

*1) 図3にも示したグリーン基地局フィールド試験局(赤丸)の所在地は、新潟県三条市、同加茂市、長野市、群馬県高崎市、同伊勢崎市、茨城県筑西市、東京都八王子市、横浜市(2局)、山梨県北杜市。

図3 グリーン基地局の展開 出典:NTTドコモ

 今回の成功を受けて、伊勢崎市と同等の技術を群馬県高崎市と新潟県三条市のフィールド試験局に導入する。「地域ごとに太陽光発電によって得られる電力が異なることから、ダブルパワー制御の能力を検証する必要がある。検証後、2016年度以降の早期に商用化を目指す」(同社)。

 フィールド試験を重ねてきたグリーン基地局が実用的であるという裏付けが得られたため、ダブルパワー制御の高度な実証とは別に、2015年3月末までに11局のグリーン商用基地局を設置し、同4月から運用を開始する。図3に示したように、フィールド試験局と異なる道県に置く(黄色の丸)*2)

 基地局について、同社の最終的な目標は2つある。普及と技術の高度化だ。全国の市町村へグリーン基地局を導入するとともに、環境負荷が少ない電力の利用率100%を目指す。

*2) 北海道中川町、同北見市、同浦幌町、秋田県東成瀬村、仙台市、金沢市、静岡県御前崎市、兵庫県淡路市、広島県東広島市、愛媛県西予市、熊本県天草市に設置する。

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