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» 2015年03月17日 13時00分 UPDATE

電力供給サービス:火力発電の燃料を軽油からLNGへ転換、コンバインド方式で発電効率55%

東北電力が青森県で運転中の「八戸火力発電所5号機」の燃料を石油からLNGへ転換した。3月13日に試運転を開始して、7月に営業運転へ移行する予定だ。コンバインドサイクル方式を採用した発電設備で、従来よりも発電効率が7ポイントも高くなり、CO2排出量は2割くらい削減できる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 「八戸火力発電所」は東北電力の初めての火力発電所として、1950年代から70年代にかけて1〜4号機が順次運転を開始した。いずれも石油を燃料に利用する発電設備だが、すでに3号機を除いて廃止・撤去処分が完了している。これとは別に東日本大震災の発生後に構内に緊急で設置した発電設備が5号機で、2012年7月に稼働した。

 この5号機を最先端のガスコンバインドサイクル方式による発電設備に更新する計画が順調に進み、2015年7月に営業運転を開始する予定だ。同じ八戸市内のLNG(液化天然ガス)基地からガスの供給を受けるための導管を含めて、必要な設備が整ったことで3月13日から試運転に入った(図1)。

tohoku1_sj.jpg 図1 「八戸火力発電所5号機」の発電設備とガス供給設備。出典:東北電力

 5号機の設備更新計画は2段階に分けて実施した。最初に稼働したガスタービン発電設備に加えて、排熱を利用できる蒸気タービンなどを設置してコンバインドサイクル方式へ増強した(図2)。そのうえで「燃料ガス加熱器」や「燃料ガス配管」を導入して、石油からLNGへ燃料の転換が可能になる。

tohoku2_sj.jpg 図2 ガスタービン発電設備のコンバインドサイクル化。出典:東北電力

 2段階の設備更新を経て、発電能力は27.4万kWから41.6万kWへ約1.5倍に高まった(図3)。火力発電設備の性能を決める熱効率(燃料の熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる割合)は33%から55%に向上する。燃料を軽油からLNGに転換するだけでも7ポイントの改善になり、LNG火力の効率の良さがわかる。

tohoku3_sj.jpg 図3 「八戸火力発電所5号機」の設備更新計画。出典:東北電力

 さらにCO2の排出量も大幅に削減できる。一般に石油火力とLNG火力を比較すると、同じ量の電力を作るために排出するCO2はLNG火力のほうが石油火力よりも約20%少なくなる。東北電力は八戸火力5号機の燃料転換によるCO2排出量の削減効果を公表していないが、標準並みに2割程度の削減率になる見込みだ。

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