パワーコンディショナーを20年守る、一括サービスが登場蓄電・発電機器

オムロン ソーシャルソリューションズとオムロン フィールドエンジニアリングは、2015年3月26日、大容量産業用パワーコンディショナー向けに「20年保守サービス」の提供を開始した。太陽光発電所の停止時間を短縮するために、駆け付け修理も行う。

» 2015年03月27日 09時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 固定価格買取制度(FIT)を利用して発電所を運営する場合、いかにして20年間、発電所を安定稼働させるのかが課題になる。そのためには、機器の故障が発生した場合に備える仕組みが必要だ。

 オムロン ソーシャルソリューションズとオムロン フィールドエンジニアリングが2015年3月26日に提供を開始したサービスは、パワーコンディショナー(PCS)に焦点を当てたもの。大容量産業用PCS向けに「20年保守サービス」を提供する。

 同サービスが必要な理由は2つあるという。PCSが故障した場合、そのPCSに接続されていた太陽電池の出力は無駄になり、売電もできない。大容量PCSでは部材の手配などが必要であり、実際に修理が完了するまでの時間が長くなる。これは長時間の売電損失につながる。

 次に、故障のたびに修理を重ねていく対応をとると、費用をあらかじめ見積もることが難しくなる。長期間の事業運営計画とのずれが起こりやすい。

発電所の停止時間短縮が目的

 20年保守サービスの利点を図1に示した。PCSの停止要因ごとに、20年間の保守範囲と費用負担の範囲が分かる。

図1 20年保守サービスの利点 出典:オムロン ソーシアルソリューションズ

 20年保守サービスでは、故障発生時の緊急保守の他、定期部品交換、点検、顧客向けのサポートを提供する。売電の停止(ダウンタイム)を短くするため、故障発生時に駆け付け修理を行う*1)。そこで、あらかじめ20年間の技術維持と部品調達が可能な大容量産業用PCSを選定した。

 サービス開始時点では日新電機の3種類のPCSがサービス対象となる。100kW(三相3線、屋外機・屋内機)と250kW(同)、500kW(三相3線、屋外機)に向けてサービスを提供する。

*1) 駆け付け修理に利用する保守拠点は国内に約130カ所あり、最も顧客対応の時間が短くなる拠点から修理に向かうという。

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