すでに日本は世界の中でも最大のLNG輸入国になった。2013年に各国間で取引されたLNGの輸入量のうち3分の1以上を日本が占めている(図3)。第2位の韓国と比べても2倍以上の規模で、中国の5倍近い輸入量がある。
電力を中心にLNGの消費量が拡大するにつれて、最近はカタールやオマーンなどの中東諸国、さらにロシアからの輸入も増えてきた(図4)。これからは中東諸国やロシアの比率が高まっていく見通しだ。
というのも天然ガスの生産量を地域別に見てみると、ロシアを中心にヨーロッパが最も多い(図5)。次いで北米、中東、アジア大洋州の順になっている。日本が依存するアジア大洋州の埋蔵量はヨーロッパや中東と比べて少ないことから、今後の増産は期待しにくい。
代わって輸入量が増える可能性が大きいのは北米だ。特に米国では新しい天然ガスとして注目が集まるシェールガスの生産量が2007年あたりから急速に伸びてきた。これまで米国から日本にはLNGを輸入できなかったが、シェールガスの拡大に伴って2018年から輸入が解禁になる。米国が輸入先に加われば、日本にとって安全性の高い調達ルートが広がる。
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