新工法でモジュール間の幅4分の1・工期半減へ、パナソニックの新HIT太陽電池太陽光(2/3 ページ)

» 2015年07月27日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

独自の「PS工法」でモジュール幅、工期を削減

 独自の新工法の「PS工法」は、現行の工法ではモジュール間がPV抑え(金具、ネジ)のスペースが必要なため約27ミリ空いているものを、取付金具などの改良により約7ミリへと狭小化を図った。それによりモジュール間カバーがなくても美しい外観を実現している。またモジュールの取り付けは差し込むだけ、モジュールの固定には電動工具が不要、軒カバーで高さが調節できる、架台フレームをスライドする固定金具の採用など、全体的に施工を簡易化し、安定した施工品質につなげている(図2)。

photo 図2:PS工法と現行方法との比較

 その結果、各工程で工数が削減できモジュールの取付時間は現行の4時間55分(スレート屋根、モジュール3列4段格子配置12枚の場合)と比べPS工法では2時間7分へと半減する。このほか、荷重・耐風・耐震など各品種項目の試験を実施し、高い信頼性を確立している。省梱包による廃棄物の削減も行い、金属・ネジなど総部品点数も現行工法では605点(スレート架台方式で4段5列での場合)から497点へと減らした(図3)。

photo 図3:モジュールの取り付け時間の比較(クリックで拡大)※出典:パナソニック

 245αPlusの出力の向上は、従来の高効率化技術に加え「ヘテロ接合の界面清浄化技術」の開発により実現した。ヘテロ接続界面の再結合損失と抵抗損失を低減することにより、現行品から1W高く245Wになった。同社では、「HITの高いモジュール変換効率と高温に強いなどの優れた温度特性をもつ245αPlus(245W、モジュール変換効率19.1%)、P250αPlus(250W、同19.5%)と、一般的な結晶系シリコン太陽電池が同等の年間推定発電量を得るためには、それぞれ263W相当、269W相当の出力が必要」と想定している。新製品の販売目標は2015年度5万セットを掲げている。

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