再生可能エネルギーの発電設備が4月に急拡大、過去最大の136万kWが運転開始自然エネルギー

固定価格買取制度の認定を受けた発電設備が2015年4月だけで136万kWも運転を開始した。原子力発電の1基分を大きく上回る規模で、制度開始から4年弱で最大の伸びになった。太陽光発電が130万kWと大半を占める一方、認定の取り消しを受ける発電設備も増えてきた。

» 2015年07月31日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 2015年度に入って初めての4月の導入状況は、固定価格買取制度の効果と課題の両方を示す結果になった。4月に新たに運転を開始した発電設備は136万kW(キロワット)に達して、過去最大だった3月の115万kWを大幅に上回った(図1)。わずか1カ月間で大型の原子力1基分を超える発電設備が誕生したことになる。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2015年4月末。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料に占めるバイオマスの比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 136万kWのうちメガソーラーを中心とする非住宅用の太陽光が121万kWにのぼり、引き続き日本の再生可能エネルギーを牽引している。天候の影響を受ける太陽光発電の課題がますます広がる状況だ。そのほかの再生可能エネルギーでは出力が安定しているバイオマスが5万kW、中小水力も1万kWと着実に増えてきた。

 新たに運転を開始する発電設備が増えたことで、電力の買取量も拡大している。4月だけで34億kWh(キロワット時)に達した。このペースで伸びていくと、日本の年間の発電電力量の5%以上を固定価格買取制度の発電設備だけで供給できることになる。買取金額も月間で1221億円にのぼり、前月と比べて249億円も増加した。

 その一方で新規に認定を受ける発電設備は伸び悩んでいる。2015年度に入って太陽光発電の買取価格が引き下げられたことに加えて、発電事業者には不利な出力制御の運用ルールが1月下旬から拡大した影響によるものだ(図2)。

図2 太陽光発電設備に対する出力制御の新ルール(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 さらに太陽光発電では用地や設備を確保できない事業者が多く出始めて、認定の取り消しを受けるケースが増えてきた。特に非住宅用で数多く発生していることから、4月には新規認定分を上回って合計の認定容量がマイナスに転じている。

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