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» 2015年08月05日 11時00分 UPDATE

スマートシティ:火力発電の炭素排出をスマートコミュニティで下げる、那覇市で事業調査開始

那覇市で低炭素化などを目指したスマートコミュニティ構築に向けた取り組みがスタートする。那覇市は経済産業省の「平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業)」に参画し、コープおきなわ、エプコ スマートエネルギーカンパニー、沖縄ガスが事業者として採択された。

[長町基,スマートジャパン]

 那覇市は2015年3月に那覇市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定し、基本方針の中でスマートコミュニティーの構築を目指している。その施策として経済産業省の「平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業)」に参画し、地産地消型スマートコミュニティの構築可能性を探る調査などの事業を開始する。

 同事業の背景には、沖縄県の独特の電力事情の特徴がある。県外の電力系統と連結されてない単独系統であることから、全ての電力を県内での発電でまかなう必要がある。また、台風などの災害リスクに対して生活インフラ対策が求められる。さらに、電力使用量全体の99%以上を火力発電で占められている。

 そのため、沖縄県では石油・石炭依存度の低減、エネルギーの多様化を図ることなどが課題として挙げられている。こうした課題に対し、那覇市は地域の地産資源である再生可能エネルギーを最大活用した分散型かつ防災型の低炭素スマートコミュニティの構築が解決策として有望と考え、そこで今回の事業では那覇市おもろまち周辺、奥武山周辺を調査地域としてその可能性を探る調査を行う(図1)。

photo 図1 那覇市地球温暖化対策実行計画による温室効果ガス削減目標 出典:那覇市≫

 今後、低炭素化に向けた取り組みとして那覇市の地域資源の賦存量、再生可能エネルギー導入賦存量の把握など、地産資源の導入に向けた検討を行う。併せて蓄電池、コージェネレーションの有効活用方法を検討することで、電気、熱、両面からのスマートコミュニティーの構築可能性を検討していく。また、導入後の電気の管理主体として那覇市での電気小売事業者の事業性も検討する。さらに市民へのエネルギー・生活に関するアンケート調査を行い、電気小売事業者による提供サービスの立案を進める。

 具体的な調査項目はおもろまち地区・奥武山地区での大規模施設の電気・熱需要調査。ビジネスホテル、あっぷるタウンなど商業施設、病院、マンション一括受電調査他。熱需要補完として、太陽熱、都市ガスコ―ジェネ排熱利用の検討。那覇市の水溶性天然ガス、太陽熱の導入可能量調査。おもろまち地区の熱需要に合わせたコ―ジェネ機種の検討。地域PPS事業の事業性の検討などだ。

 今回、生活協同組合コープおきなわ、エプコスマートエネルギーカンパニー、沖縄ガスの3団体が検討会参加事業者に採択され、那覇市とともにそれぞれの担当分野でスマートシティ構築に向けて協力する。2016年2月の事業終了後には那覇市で電気小売事業を行う事業体をコープおきなわの主導で設立を検討し、事業開始を目指す。沖縄ガスは那覇市内公共施設(病院・災害避難施設)へのコージェネレーションシステム導入に向けて取り組みを進める。エプコは生活支援サービスの導入準備を開始する。

photo 図1:スマートコミュニティ事業の概要(クリックで拡大)※出典:エプコ スマートエネルギーカンパニー

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