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» 2015年08月13日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:ため池に水上メガソーラー、縦と横に100メートルで330世帯分の電力

大阪府には農業用のため池が1万カ所以上もある。南部の岸和田市にも400以上のため池が点在していて、そのうちの1カ所の水上にメガソーラーが完成した。池の水面に4000枚の太陽光パネルを浮かべて、年間に330世帯分の電力を供給することができる。売電収入の一部は地域に還元する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 大阪府が地域の再生可能エネルギーを拡大する施策の1つとして、府内に1万カ所以上ある農業用のため池の活用に乗り出した。モデルケースとして取り組んだ場所は岸和田市の「傍示池(ほうじいけ)」で、満水時には1万6000平方メートルの水面が広がる。池の周辺部を除いた1万平方メートルに4016枚の太陽光パネルを設置して、水上のメガソーラーが8月10日に発電を開始した(図1)。

houjiike3_sj.jpg 図1 「DREAM Solar フロート1号@神於山」の全景(画像をクリックすると拡大)。出典:大和リース

 傍示池を上空から見ると、ほぼ正方形である(図2)。太陽光パネルも正方形に近い配列で規則的に並べた。パネル1枚あたりの発電能力は260W(ワット)で、4016枚の合計で1.044MW(メガワット)になる。年間の発電量は118万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算すると、330世帯分に相当する。

houjiike4_sj.jpg 図2 上空から見た状態(完成イメージ)。出典:大和リース

 大和ハウスグループの大和リースが発電事業者になって、傍示池を管理する神於山(こうのやま)土地改良区から水面を含めて敷地を借り受けた。大阪府と岸和田市を加えた4者間で協定を結び、地域ぐるみで再生可能エネルギーの導入を推進する体制をとった。大和リースは敷地の賃借料のほかに、大阪府と岸和田市の環境基金に売電収入の一部を還元することになっている。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を関西電力に売電する。2014年度の買取価格(1kWhあたり32円、税抜き)を適用できるため、年間の売電収入は3776万円を見込んでいる。買取期間の20年間を合計すると7億5000万円になる。一方で総事業費は約5億円かかった。

 大和リースは水上のメガソーラーを建設するにあたり、太陽光パネルを浮かべるためのフロートと架台を試作して性能を検証した(図3)。フロートは軽量で防水性がある高気密ポリエチレン製で、中空構造にして水面の揺れを吸収する。太陽光パネルはジンコソーラー社の多結晶シリコンタイプである。

houjiike5_sj.jpg 図3 太陽光パネルを設置する架台(左上)とフロート(右上)、水上に設置した状態(下)。すべて試作・検証時。出典:大和リース

 大阪府は農業用の施設に再生可能エネルギーの導入を進めて、ため池などの管理コストの低減を図る。傍示池の導入効果を見ながら、各地域に水上の太陽光発電を展開していく方針だ。大阪府では北部と南部を中心に野菜の栽培が盛んで、かんがい用のため池が数多く点在している。傍示池の周辺にも大きなため池が広がっている(図4)。

houjiike1_sj.jpg 図4 「傍示池」と周辺のため池。出典:大阪府環境農林部

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