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» 2015年08月19日 13時00分 UPDATE

エネルギー管理:再生エネ導入率50%以上を目指すポルトガルで、自動デマンドレスポンス実証を開始

ポルトガルは2014年第1四半期の電力需要の約70%を再生可能エネルギーが占めるなど、欧州でも有数の再生可能エネルギー導入国だ。2015年8月下旬からこのポルトガルで、日本総合研究所、NTTデータ、ダイキン工業の3社が自動デマンドレスポンスによる電力需給の安定化に向けた実証を開始する。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 日本総合研究所は、NTTデータ、ダイキン工業とともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が実施する「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業 ポルトガル共和国における自動ディマンドレスポンス実証事業」の委託先に選定されたと発表した。2015年8月下旬より「テーラーメイド自動ディマンドレスポンスシステム(テイラーメイドADRシステム)」の活用に向けた実証前調査を開始する。

 テイラーメイドADRシステムは、空調機などを需要家の特性に応じて自動で運転管理し、電力需要を自動制御するシステムのこと。今回のポルトガルの実証では、リスボン市内の公共ビルや一般家庭などの需要家の協力を受け、同システムの活用および空調機の自動運転管理を通じ、需要家の快適性を保ちながら電力の需給調整を行うことを目指す(図1)。

rk_150818_nedo01.jpg 図1 実証事業のイメージ 出典:NEDO

 ポルトガルは欧州でも有数の再生可能エネルギー推進国で、欧州連合(EU)の指令に基づくCO2削減を目的として、最終消費エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を2020年までに31%に増やす計画を掲げている。特に電力については総電力消費量における再生可能エネルギーの割合を55.3%に増やすという高い目標を設定している。2013年時点で総電力消費量に占める再生可能エネルギー比率は平均49.2%で、今後、目標達成に向けて風力発電や太陽光発電のさらなる導入拡大を進めている。

 しかし出力の不安定な再生可能エネルギーの導入量が増加すれば、電力網が不安定になりやすい。そこで今回の実証では、先述したテイラーメイドADRシステムによる電力需給の安定化に向けた実証に加え、空調機の電力利用を風力などの再生可能エネルギーによる発電量が多い時間帯へシフトする検証も行う。これにより風力発電の導入量を拡大する狙いだ。

 2015年8月下旬からの実証前調査は2016年1月末まで行う。次に調査結果を踏まえた事業化評価を経て、実証事業を2018年度末まで実施する計画だ。日本総合研究所はこの実証の成果受け、再生可能エネルギーの普及が進む欧州の政策動向の収集・分析を行い、再生可能エネルギーの導入に伴う諸課題が顕在化しつつある日本に向け政策提言などを行っていくとしている。

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