Google Earthから屋根上の発電量を予測、米国2地域で試験サービス開始自然エネルギー

再生可能エネルギーの導入を積極的に推進する米国のグーグルが太陽光の発電量を計算する情報サービスの試験を開始した。衛星写真を使って上空から見える情報を提供する「Google Earth」を応用したもので、建物の屋根の面積と向き、地域の気象情報をもとに年間の発電量を計算する。

» 2015年08月21日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 太陽光の発電量を計算する新しい情報サービスは現在のところ「Project Sunroof」と名付けられている。8月17日から米国東海岸のボストン市と西海岸のサンフランシスコ市の一部の地域を対象に試験サービスを開始した。

 使い方は至って簡単だ。通常の位置情報サービスと同様に、Project Sunroofの画面上で住所を入力すると、年間の日照時間と屋根の上に設置できる太陽光パネルの面積を計算して表示する(図1)。さらに現在の電気料金を入力すると、太陽光で発電した電力を使うことによって20年間に節約できる金額もわかる。

図1 「Project Sunroof」の利用イメージ(画像をクリックすると拡大)。出典:Google

 日本でも地図から屋根上の発電量を計算するサービスはあるが、Project Sunroofの機能が優れている点は3次元のデータから日射量を緻密に算出できることだ。屋根の向きのほか、近隣の木や建物による影まで考慮して計算する。グーグルが衛星写真を使って世界各国で提供している3次元の地球探索サービス「Google Earth」と同様に、上空から撮影した高精細な画像情報を利用しているためだ。

 グーグルは今後もProject Sunroofの機能の改良と対象地域の拡大を続けていく。地域ごとに太陽光パネルの販売会社の情報も見ることができるようになっていて、グーグルの新しい収益源に発展する可能性もある。

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