全世界の発電量は増え続けている。2013年は対前年比2.9%増だ。これは途上国を中心とした非OECD諸国の発電量が増加しているためだ(図4)。振り返ってみると、2010年が転換点だったことが分かる。この年、OECD諸国は発電量の増加が止まり、非OECD諸国(赤線)がOECD諸国に追い付いた。非OECD諸国の年平均成長率は5.6%と高い(2010〜2013年)。この結果、2011年、史上初めて非OECD諸国の発電量がOECD諸国を上回った。
非OECD諸国は、増え続ける電力需要をまかなうため、2種類の発電所を増やしている。燃料が安価で入手しやすい石炭火力発電所と、燃料を必要としない再生可能エネルギーを利用した発電所だ。図1に示した通り、2013年の石炭火力の発電量は全世界の41.1%(9613TWh)である。IEAによれば、OECD諸国が石炭火力を減らす一方、非OECD諸国で増えている。
IEAは再生可能エネルギーの利用形態についても調査した。再生可能エネルギーは、全てが電力源として利用されるのではない。例えばバイオガスはそのまま都市ガス(熱源)としても利用できる。
OECD諸国では再生可能エネルギーを主に電力源として用いている。48.8%(2013年)を占めていた(図5)。再生可能エネルギーの全利用量は4億7700万石油換算トン。
非OECD諸国では再生可能エネルギーのうち、21.5%(2013年)だけが発電に利用されていた(図5)。最も多い利用形態は住宅や商業施設、公共施設での利用である。再生可能エネルギーの全利用量は13億5100万石油換算トンであり、OECD諸国の2.8倍に及ぶ。
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