地域の森林資源を活用する木質バイオマス発電所の建設プロジェクトも相次いで始まっている。三重県のほぼ中央に位置する多気町(たきちょう)の工業団地に、中部電力グループの中電プラントサービスが「多気バイオパワー」を建設中だ(図7)。
発電能力は6.7MWになり、年間に5000万kWhの電力を供給することができる。1万4000世帯分に相当する規模で、多気町の総世帯数(5500世帯)の2.5倍に匹敵する。運転開始は2016年6月を予定している。燃料には地域の森林で発生する間伐材などを年間に6万5000トン利用する計画だ。
より大規模な木質バイオマス発電所が津市の臨海工業地帯にも誕生する。JFEエンジニアリングが橋梁などを製造する「津製作所」の構内で建設を進めている(図8)。発電能力は20MWに達して、年間の発電量は1億5800万kWhになる見込みだ。一般家庭で4万4000世帯分の電力をグループの新電力に売電する。
燃料の木質バイオマスは津市の協力を得て地域の間伐材を利用するほか、工業地帯の立地を生かして東南アジアからパームヤシ殻を輸入する。運転開始は多気バイオパワーから1カ月後の2016年7月になる予定だ。林業の活性化にも役立つバイオマス発電所が県内の2つの地域で動き出す。
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2016年版(24)三重:「木質バイオマス発電が急拡大、液晶の町から歴史の地までつなぐ」
2014年版(24)三重:「湾岸一帯にメガソーラーの建設ラッシュ、地域に貢献する電源が広がる」
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