電力比較サイトの本命か、「電気を選ぶ」を常識にする英国発サービスが始動電力供給サービス(1/3 ページ)

小売全面自由化に向け各社から電力料金プランの発表が始まっているが、同時にこうしたプランの比較サービスの展開も目立ってきた。そのうちの1社であるエネチェンジが戦略方針を発表。自由化で先行する英国で得たノウハウと技術を強みに、2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に向けサービスを本格展開する。

» 2015年10月01日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に向け、電気料金診断と電力会社のスイッチングサービス「エネチェンジ」を展開するエネチェンジは2015年9月30日、東京都内で会見を開催。自由化後に一般家庭などが電力会社(小売事業者)のスイッチング(切り替え)を行う際、優先的に専門家によるサポートを受けられる「エネチェンジ優先予約」を同日より開始すると発表した。小電力自由化が迫る中で、サービスを本格的に展開していく。

 電力自由化により、各社から多くの電気料金プランが登場すると予想される。エネチェンジは各家庭や個人のライフスタイルに最適な電力会社と料金プランを診断するWebサービス。2014年1月に開設しており、現時点で月間50万人のユーザーが訪れているという。料金プランの診断に加え、同時にエネチェンジ上からスイッチング申請も可能だ。その電力がどの方法で発電した電力なのかも把握できる(図1)。

図1 「エネチェンジ」の電気料金プラン診断サービス(クリックで拡大)出典:エネチェンジ

ユーザー利用料は無料、収益モデルは紹介料と広告モデル

 これらのサービスをユーザーは無料で利用可能だ。エネチェンジを通してユーザーが電力会社の切り替えを行った場合、スイッチング先からエネチェンジに対して紹介料が支払われるというビジネスモデルになっている。収益源は基本的にこの紹介料とWeb広告などの広告収益が担うという。

エネチェンジ 代表取締役社長 有田一平氏

 会見に登壇したエネチェンジ 代表取締役社長の有田一平氏は「エネチェンジは電力会社から独立した存在であり、電力会社の選択を公平・中立的サポートする電力料金プランの比較サイト。電力の小売全面自由化に向け、ユーザーの『電力会社を選ぶ』を支援していきたい」と語る。

 一方でこうした自由化に向けた電力料金の比較サービスなどは、既に他社も展開しはじめている。こうした状況の中で、エネチェンジが競合との差別化要因となる強みとして挙げるのが、同社独自の電気料金診断アルゴリズムだ。このアルゴリズムは、数年前から自由化で先行する英国で研究開発の成果を活用している。

 

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