火力発電のCO2排出量、2020年度に700万トン削減へ法制度・規制(2/2 ページ)

» 2015年10月02日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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2014年度に2.5%の削減効果

 電力会社10社のCO2排出量は2014年度に2700万トンも少なくなった。最大の理由は販売電力量が減少したことだが、電力1kWh(キロワット時)あたりの排出係数も2.5%ほど低下して改善が見られる(図2)。

図2 電力会社10社の販売電力量とCO2排出実績(画像をクリックすると拡大して注釈も表示)。出典:電気事業連合会

 2014年度には火力発電が縮小する一方で、水力を中心に再生可能エネルギーの発電量が増加した効果が大きい(図3)。わずか1年間で再生可能エネルギーの比率が全体の10.7%から12.2%へ上昇した。

図3 電源別の年間発電量と構成比率。出典:電気事業連合会

 2015年度以降は再生可能エネルギーと原子力の比率が増えることに加えて、火力発電の効率が上がっていく。CO2排出量の削減は着実に進む見通しだが、政府が2030年に設定した目標では電力によるCO2排出量は3億6000万トンまで低減させなくてはならない。2014年度の4億5700万トンからは20%以上の削減が必要になる。その多くを占める火力発電の排出量を削減する取り組みは現状では不十分で、追加の施策も求められる。

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