世界を追い抜いた日本のスマートホーム、ECHONET Liteが核にスマートホーム(1/4 ページ)

IT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」で開催されたパネルディスカッション「スマートハウス市場〜世界動向と国内動向〜」では、国内外の有識者が日本のスマートホームの目指すべき方向性について、意見を述べた。

» 2015年10月16日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 2015年10月7〜10日に開催されたIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」では、同年10月9日に講演イベントの一環としてパネルディスカッション「スマートハウス市場〜世界動向と国内動向〜」が開催された。

 パネリストとして登壇したのは、スマートハウス・ビルの標準化を進めてきたJSCA(スマートコミュニティアライアンス)スマートハウスビル標準事業促進検討会 副座長で神奈川工科大学教授の一色正男氏、家庭用通信規格「ECHONET」の普及推進を図るエコーネットコンソーシアム専務理事の児玉久氏、ICTの立場でスマートハウスを支えるNEC 執行役員 スマートエネルギーBU担当の國尾武光氏、日本政府内でスマートハウスやビルディングを推進する経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長 佐野究一郎氏、IECのスマートエネルギー担当議長で、フランスの電力会社EDFのバイスプレジデントを務めるリチャード・ショーンベルグ(Richard Schomberg)氏、ECHONETの国際展開を進めるマラヤ・ウェールズ国際大学教授のスレスワラン・ラマダス(Sureswaran Ramadass)氏の6人。モデレーターは、JSCAスマートハウスビル標準事業促進検討会 副座長で慶應義塾大学教授の梅嶋真樹氏が務めた(図1)。

photo 図1 パネルディスカッション「スマートハウス市場〜世界動向と国内動向〜」の様子

「4年前は世界で遅れていた」

photo JSCAスマートハウスビル標準事業促進検討会 副座長で慶應義塾大学教授の梅嶋真樹氏

 慶應義塾大学教授の梅嶋氏らが中心となり、CEATEC JAPANでスマートホームに関するパネルディスカッションを開催するのはここ数年恒例となっている。梅嶋氏は「4年前にこの場で話した時はまだスマートホームはコンセプトとしてどうしていくかという段階だった。スマートメーターも『本当に各家庭に付くのだろうか』と半信半疑だった面もあった」と当時を振り返る。

 しかし、現在は既にスマートメーターの設置が始まっており、さらにスマートメーターの情報を家庭のHEMSで活用できる仕組みもできた。「自分の手でスマートホームを実現できる環境ができている。この環境は世界でも日本が初めてのことだ。4年前は世界に対して遅れていたが、今は最先端になったといえる」と梅嶋氏は胸を張る。

 「今までは『決意表明』のような形だったが、既にスマートハウスが始まった状況である日本から世界にどういう情報を発信していくかが重要になってきている」と梅島氏は述べた。

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