世界を追い抜いた日本のスマートホーム、ECHONET Liteが核にスマートホーム(3/4 ページ)

» 2015年10月16日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

ECHONETからECHONET Lightへ

photo エコーネットコンソーシアム専務理事の児玉久氏

 そもそも家庭用の通信プロトコルとしてECHONET Lightの前に「ECHONET」が存在した。同規格は1997年に家電メーカーなどが中心となって推進し、国際標準化も進めたが、規格として重いものになり過ぎ、全く普及しなかった。これらの反省を生かして2011年に軽量規格である「ECHONET Light」を開始。電力システム改革の流れの一環で、オープン規格であり相互接続性が高く、また高機能な拡張性を持っていたことから、HEMSの標準規格として採用され、一気にブレイクスルーした。

 エコーネットコンソーシアムの児玉氏は「普及に苦心していた時期もあったが、一気にフェーズが変わった。機器認証も2014年は約200件に増えたが、2015年は既に300件を超えている」と現状について語る(図2)。

photo 図2 CEATEC JAPANのエコーネットコンソーシアムブースで出展されたスマートメーター
photo マラヤ・ウェールズ国際大学教授のスレスワラン・ラマダス氏

 また、ECHONET Lightについては海外展開も進めており、アジアではマレーシアとタイに研究センターを設置。国際的な普及拡大にも取り組んでいる。マレーシアで取り組みを進めるマラヤ・ウェールズ国際大学のラマダス氏は「ECHONET LightはIP対応で幅広い用途に利用できる点が魅力だ。ただ問題は一般に知られておらず、技術者や家電店などでもうまく説明できないことがある。普及拡大のためには標準化だけでなく、トレーニングなど人への支援が必要だ」と語る。

 梅嶋氏は「既に国際標準規格であり国際的には『ECHONET Lite』ではなくIEC62394 Ed2.0やISO/IEC 14543-4-3と呼んだ方がいい段階に来ているかもしれない」と述べた。

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