ボルボが“電動化戦略”を発表、VW問題でプラグインハイブリッドに追い風か電気自動車(1/2 ページ)

2020年に新車の10%を電動化車両に――ボルボが今後のグローバルな開発戦略としてEVやPHEVなどの電動化車両に注力する方針を発表した。新型EVの開発を進めるとともに、同社の全ラインアップにPHEVモデルを設定する。

» 2015年10月20日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 スウェーデンのVolvo Cars(以下、ボルボ)は同社の今後の世界戦略として、プラグインハイブリッド(PHEV)や電気自動車(EV)などの電動化車両の開発に注力する方針を発表した。同社の全ラインアップにPHEVモデルを設定し、さらに電動パワートレインを搭載した小型車の新モデルを開発するとともに、2019年までにEVも発売する。

 こうしたボルボの“電動化戦略”は90/60シリーズなど、中〜大型の上位車種へのPHEVモデルの投入が起点となる。その代表例となるのが今後市場投入を予定している新型SUV「XC90」のPHEVモデルである「XC90 T8」だ。同車はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)ベースにおけるCO2排出量は1km(キロメートル)当たり49グラムで、EVモード(バッテリーのみでの走行)では最大43km走行できる。

ボルボのPHEVモデルのSUV「XC90 T8」(クリックで拡大)出典:ボルボ

 XC90 T8の次はプレミアムセダン「S90」にPHEVモデルを設定し、その後他のモデルにも順次展開していく。なお、PHEVの駆動方式は4WDとFF(前輪駆動)モデルとなる。電動モーターで後輪を駆動させる方式だ。

 次世代のエコカーとして注目されるPHEVだが、EVと比較されることも多い。ボルボは今回の発表で「PHEVが燃費や航続距離、利便性を最高の形で顧客に提供できると考えている」とコメントしている。同社はEVの開発も進めるが、中期的にはバッテリーが切れた際に内燃機関(エンジン)での走行が可能であり、EVで指摘される走行距離の不安をクリアするPHEVのニーズの方が高いと見ているようだ。

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