トヨタ自動車はエンジン車から燃料電池車などの次世代車への切り替えや、水素・再生可能エネルギーの積極的な利用など、意欲的な戦略目標を織り込んだ「トヨタ環境チャレンジ 2050」を発表した。後編では生産工程におけるCO2排出量の削減や、水素・再生可能エネルギーの活用に向けた取り組みを紹介する。
大幅なCO2排出量の削減など、2050年に向けた環境貢献への新たな取り組みとなる「トヨタ環境チャレンジ 2050」を発表したトヨタ自動車(以下、トヨタ)。前編ではこの取り組みのうち、トヨタの次世代車開発の方向性として燃料電池車(FCV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の開発に注力し、2050年には新車販売における純エンジン車をほぼゼロにするという戦略について紹介した。
トヨタではこうした自動車開発そのものへの取り組みに加え、生産工場などのモノづくりの部分おいても省エネルギー化の推進によるCO2排出量の削減や、水素・再生可能エネルギー活用などに注力していく。後編ではこちらの内容について紹介していく。
トヨタは2050年に工場から排出されるCO2をゼロにするという目標を掲げた。この目標に向けた取り組みは2種類から構成される。1つがCO2排出量が少ない自動車生産技術の開発と、生産の効率化による省エネルギー化だ。今後生産台数の増加や次世代自動車開発が進むに従って、成り行きの生産CO2排出量は増えていくと見込まれる。これを削減していくための取り組みだ。
しかしこれだけでは最終的に生産CO2排出をゼロにはできない。効率化を進めても完全に工場で利用するエネルギー(電力)を完全にゼロにすることは難しいからだ。そこで2つ目の取り組みとして行うのが再生可能エネルギーと水素の活用によるCO2削減だ。これら2つの取り組みを“両輪”として進め、2050年に工場におけるCO2排出量ゼロを目指す(図1)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.