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» 2015年10月29日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:水力発電の電力を中小企業に安く、東京電力の「やまなしパワー」 (1/2)

東京電力は山梨県と共同で電力供給の新ブランド「やまなしパワー」を2016年4月に開始する。山梨県の企業局が運営する20カ所以上の水力発電所の電力を買い取って、県内の中小企業を対象に割引料金で販売する地域限定のサービスだ。割引率は電力量料金の3〜6%を予定している。

[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社と自治体による地域特化型の電力供給サービスが誕生した。東京電力が山梨県と基本協定を結んで、県内の中小企業に電力を供給する「やまなしパワー」の販売に乗り出す。山梨県の企業局が運営する水力発電所の電力を通常の料金よりも安く販売して、地元の企業を支援しながら他県からの進出も促す狙いだ(図1)。

yamanashi3_sj.jpg 図1 「やまなしパワー」を運営する目的。出典:山梨県、東京電力

 山梨県の企業局は大規模から小規模まで23カ所の水力発電所を運営している(図2)。発電能力を合計すると12万kW(キロワット)に達して、全国の自治体でも有数の規模を誇る。東京電力は年間に4億7000万kWh(キロワット時)の電力を買い取って、やまなしパワーのブランドで販売する。販売量は一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して13万世帯分になる。

yamanashi5_sj.jpg 図2 山梨県営の水力発電所の代表例。「奈良田第一発電所」(左、発電能力2万7600kW)、「野呂川発電所」(右、同2万300kW)。出典:山梨県企業局

 通常の電気料金は月額固定の「基本料金」と使用量に応じた「電力量料金」の2本立てで課金するが、このうち電力量料金を3〜6%割り引く予定だ。販売する対象は山梨県内の中小企業に限定して、県の企業局が募集して選定する(図3)。ただし大企業でも新規に山梨県に進出する場合には対象になる。

yamanashi2_sj.jpg 図3 「やまなしパワー」の事業スキーム。出典:山梨県、東京電力

 販売する電力は契約電力が50kW以上の「高圧」で、県内の中小企業は500kW未満の「高圧小口」に限る。新規に進出する大企業には500kW〜2000kW未満の「高圧大口」でも供給できるようにする。電力を供給する期間は2016年4月から2019年3月までの3年間を予定している(図4)。

yamanashi4_sj.jpg 図4 電力を供給する企業の条件。出典:山梨県、東京電力
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