ホンダの新型FCV「クラリティ」、43万円が意味する「ミライ」との差電気自動車(2/3 ページ)

» 2015年10月29日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

5人乗りを実現、走行性能も意識

 ホンダが2014年に公開していたコンセプトモデルと同様に、クラリティは5人乗りとなった。クラリティは燃料電池スタックや発電システムなどのパワートレインを、V型6気筒エンジンと同等のサイズにまでコンパクト化してセダンのボンネット内に集約。これにより大人5人が快適に座れるスペースを確保している(図4)。バッテリーはボディー中央下部、高圧水素タンクは後部座席の下とトランク部分に収納した。

図4 パワートレインをボンネット内に集約した(クリックで拡大)出典:ホンダ

 クラリティを5人乗りとした点について八郷氏は「人のための空間は最大に、メカニズムのスペースは最小にというホンダの伝統である『M・M(Man Maximum Machine Minimum)思想』を具現化した」とアピールする。

 従来型より33%小型化した燃料電池スタックは、小型化を図りながら最高出力は100kW以上、出力密度は3.1kW/l(リットル)と従来比約60%の性能向上を実現。高出力モーターの出力は130kWで、電動モーター駆動ならではのダイレクトでレスポンスの良い快適なドライブフィールと高い静粛性を意識したという。

 市販用のFCVといえば、現状ではやはりトヨタの「MIRAI(ミライ)」との真っ向勝負となるだろう。クラリティをMIRAIと比較すると乗車定員は1人多い5人乗りで、航続距離も700kmとMIRAIより50km多い。モーターの最高出力もMIRAIを17kW上回る130kWだ。ただし価格については、MIRAIの723万6000円より約43万円ほど高い766万円となっている。

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