サイバー攻撃からスマートメーターシステムをどう守るのか「電力」に迫るサイバーテロの危機(5)(2/4 ページ)

» 2015年11月13日 09時00分 公開
[佐々木 弘志 / マカフィースマートジャパン]

片方向でつながるスマートメーター

 また、中央システムをより詳しく示したのが、図2である。中央システム内では、スマートメーターのデータ通信および通信制御を行うシステム(Head-end)やメーターデータを管理するシステム(MDMS : Meter Data Management System)および、暗号鍵管理システム(Key Management System)によって、スマートメーターからセキュアに収集し、管理しているメーターデータを、電力使用顧客が参照できるWebサイト(Customer Portal)に提供している。

 ここで興味深いのは、点線で囲った通信の矢印(→)の向きである。他の通信が全て双方向なのに対して、スマートメーターとつながっているシステムと、インターネットにつながっている外部システムとの間の通信は、片方向(Unidirectional)とすることが規定されている。この要件によって、インターネットを経由した外部からのスマートメーターシステムへの侵入を防いでいる。このような通信を物理的に実現するソリューションとして、片方向ゲートウェイが知られている※3)

※3)片方向ゲートウェイの例

photo 図2:オーストリアの電力会社(oesterreichs energie)のスマートメーターシステムの中央システムの詳細。点線で囲った部分は、アプリケーションレベルでの片方向通信であることを示している(クリックで拡大)出典:oesterreichs energie 社のスマートメーターシステムのセキュリティ要件カタログ「End-to-End Security for Smart Metering」

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