再生可能エネルギーの利用を推進する米国ハワイ州の中でも最大のメガソーラーがカウアイ島で運転を開始した。発電能力は12MWで、カウアイ島の販売電力量の5%強を供給することができる。太陽光・水力・バイオマスを合わせて島内の電力の36%が再生可能エネルギーになった。
ハワイ州に7つある島のうちカウアイ島は最も北にあって、面積は東京都の65%に相当する(図1)。7万人が暮らす島の電力は非営利の協同組合「KIUC(Kauai Island Utility Cooperative)」が供給している。従来は火力発電が主力だったが、化石燃料の削減と運転コストの低減を目指して、島内に豊富な再生可能エネルギーの地産地消を推進中だ。
KIUCは島の東側に広がる24万平方メートルの敷地に、ハワイ州で最大のメガソーラーを11月2日に稼働させた(図2)。12MW(メガワット)の発電能力があり、KIUCが年間に販売する電力量の5.5%を供給することができる。メガソーラーにはリチウムイオン蓄電池(容量6MW)も併設した。天候による出力の変動を蓄電池で吸収して、電力の安定供給を図る仕組みになっている。
このメガソーラーが運転を開始したことで、カウアイ島の電力の36%を再生可能エネルギーで供給できるようになった。カウアイ島では太陽光のほかに水力と木質バイオマスによる発電設備の導入量も増やしてきた(図3)。全体の発電能力を合計すると65MWに達している。
さらに建設中と計画中の発電設備を加えると、2025年には発電能力が116MWに拡大する見通しだ(図4)。すべて稼働すればカウアイ島の再生可能エネルギーの比率は70%を超える。ハワイ州では2045年までに州内の電力を再生可能エネルギーに100%転換する意欲的な目標を掲げている。その中でもカウアイ島は島民がメンバーになって運営する協同組合方式の電力供給体制で先頭を走る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.