再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)が始まり、国内への太陽光発電設備の導入量は大きく拡大した。その一方で設備認定後の未着工案件の増加や系統への接続制限など、多くの課題も残る。NTTスマイルエナジーの代表取締役を務める谷口裕昭氏は「NTTスマイルエナジーでは、サービスのラインアップの拡充とともに、こうした市場課題に解決するサービスの開発も進めてきた」と語る。
例えばFITの認定を受けたものの、資金や土地の調達に難航して事業化が進まない未着工案件に対しては、NTTスマイルエナジーが資金を投じて事業化を進める「ご縁ソーラープロジェクト」を開始した。同社では約10億円を投じ、これまでに48件合計2.5MWの未着工案件の事業化に成功しており、今後は56件まで拡大する見込みだという(図3)。
この他にも出力制御に対応する「エコめがね 全量モバイルパックRS」や、オムロン製のパワーコンディショナーをセットにしたサービスも展開。こうした市場課題に対応するサービスの拡充を進め、2015年11月現在、エコめがねを採用する太陽光パネル容量の累計は700MWを突破。これは2014年11月時点と比較して200%の成長率になるという。
700MWの内訳は50〜100MWが家庭向けで、残りが産業用の発電設備となる。谷口氏は「2014年度は設立以降初となる単年黒字となった。さらにエコめがねを取り扱う販売店も全国で1900社ににまで拡大し、搭載する発電設備の容量も2015年度末前後には1GWを突破する見込み」と好調さをアピールする。
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