EV充電器に太陽光パネルと蓄電池を併設、災害時には電力供給ポイントに電気自動車

電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及に向け、市内への充電インフラの整備を進めている京都府京丹後市で、京セラが新たに3カ所に充電ステーションを設置した。充電器だけでなく太陽光発電システムと蓄電池を併設することで、災害などの非常時のも電力供給ポイントとして利用できるようにした点が特徴だ。

» 2015年11月24日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 京都府京丹後市は市内の道の駅などの公共スペースに、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向け充電設備の整備を推進している。京セラはこの取組の一環として、このほど同市内の「道の駅 てんきてんき丹後」「道の駅 くみはまSANKAIKAN」「宇川温泉 よし野の里」の3カ所に、新たに充電ステーションを設置した(図1)。

図1 京セラが設置した充電ステーション。左から「道の駅 てんきてんき丹後」「道の駅 くみはまSANKAIKAN」「宇川温泉 よし野の里」。午前8時から午後19時まで利用可能だ 出典:京セラ

 設置した充電ステーションは、京セラと京セラコミュニケーションシステムが共同開発した「ソーラーサイクルステーション for EV」。各充電ステーションには、急速充電器と普通充電器をそれぞれ1台ずつ備える。さらに一部の充電ステーションには出力3.2kW(キロワット)の太陽光発電設備と、容量7.2kWh(キロワット時)の蓄電池を併設しているのが特徴だ(図2)。

 これにより災害時などには太陽光発電システムと蓄電システムが自立運転することで、電力供給が行える仕組みだ。さらに災害時への備えとして、ステーション内には電源(USBポート付OAタップ)、ラジオ、懐中電灯、軍手(10セット)を備えた災害対策BOXを備える「災害対策BOX」も設置している。

図2 京セラが設置した充電ステーション 出典:京セラ

 充電ステーションの整備は京セラコミュニケーションシステムとニチコンが企画・設計を、オステムが施工を担当した。整備そのものを京都府に基盤を置く企業が行うことで、地域の活性化にもつなげる狙いだ。充電スタンドの運営は、エネゲートや日本充電サービスなどの会員制充電サービスと提携して行う。

 なお京都府丹後市では、2015度中にさらに市内4カ所に充電ステーションの整備を進める計画だ。市内でのクリーンエネルギーのさらなる利便性の向上を図り、先進的なグリーン経済とスマートコミュニティの実現を目指していく(図3)。

図3 京丹後市が整備予定の充電ステーションの一覧(今回の3カ所を含む) 出典:京セラ

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