阪神大震災を契機に生まれた残光型照明、業務用LED製品を追加LED照明

災害時の停電でもしばらく明るい――。NECライティングは、消灯時も淡いブルーグリーンの明かりが残るホタルック機能搭載の業務用LED照明のラインアップを追加した。

» 2015年11月25日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 NECライティングでは、1995年の阪神淡路大震災を契機に残光形蛍光ランプ「ホタルック」を開発・発売し、これまで累計9000万本を超える数を販売。残光機能は、消灯時でも周囲が真っ暗にならず快適に使用できることから、長年多くのユーザーに支持されてきた。照明のLED化が進む中で、LED照明にも「ホタルック」を、という要望が寄せられ、2012年にホタルック機能を搭載した家庭用LEDシーリング照明器具を発売。一方で、防災意識の高まりから工場やオフィス、店舗などの業務用照明器具にもホタルック機能を求める声が大きくなったため、新たにLEDベースの業務用照明「Nuシリーズ」にホタルック機能搭載型を追加することになった。

 新商品は蓄電池などのエネルギーを使用しないで、本来相反する残光照度と通常点灯時の照度を両立させるために、新たな独自技術でホタルック機能を付加した照明カバーの開発により、商品化に至った。「残光ライトユニット+器具本体」の組み合わせで構成されており、点灯時は快適なLED照明として、また消灯時は、消しても安心、ほのかに見える明かりが残るLED照明となっている(図1)。

photo 図1 LED版ホタルックの仕組み 出典:NECライティング

 オフィス、工場、店舗など、各種施設は非常用照明や誘導灯による安全対策がとられている。それに加えて、ホタルック機能搭載LEDベース照明は、突然の停電時でも一定の間(点灯20分で、暗視順応反応により見え方に個人差があるが消灯後30分程度ほのかに光る)、淡いブルーグリーンの明かりが点灯。この残光が周りを照らすので、周囲を確かめ落ち着いて行動することができ、より安全性が高まることになる(図2)。

photo 図2 NECライティングの「ホタルック」シリーズの点灯イメージ 出典:NECライティング

 また、新商品は点灯中に蓄えたエネルギーで薄明かり(残光)を放ち、蓄電池などを使用していないので電池交換の必要もない。今回は業務用照明器具に必要な逆富士形、両反射笠形、トラフ形、埋込下面開放形、プルスイッチ付逆富士形など多彩なバリエーション(全48機種)をラインアップし幅広いニーズに対応する。価格は2万1800〜3万8300円(税別)。ユーザーの現在の照明設置環境に合わせたカスタマイズもオプションで行う。初年度の販売見込みは20万灯。「Nuシリーズ」は既発売の230機種に、新商品が加わり、全278機種となった。

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