小売電気事業者は伊藤忠などが事前登録し73社へ、現在103社を審査中:電力供給サービス(2/2 ページ)
今回は新たに2件の「小売供給」登録も行われた。「小売供給」とは、自営線を介した小売供給のこと。現在特定規模電気事業を営んでおり、2016年4月以降もこの自営線を介して小売供給を行おうとする事業者の小売供給のことを指す(図2)。
図2 特定電気事業の仕組み(クリックで拡大)出典:経済産業省
今回登録されたのはチッソの子会社で再生可能エネルギーの売買を行うJNCパワーと、製紙大手の王子製紙の2社である(図3)。
図3 12月7日で登録された小売供給一覧 出典:経済産業省
- 電力の購入先変更を検討する人が8割に、電気の質に不安も
電力の小売自由化が一般にどのくらい認知されているのか。資源エネルギー庁が全国1000人を対象に調査した結果、9割以上が自由化を認識していて、購入先の変更を検討する人も8割に達した。電気料金の低下に期待する一方で、電気の質など供給面の情報は浸透していない。
- 小売電気事業者は100社を超える、再生可能エネルギーの供給者が相次ぎ登録
2015年8月に始まった小売電気事業者の登録申請は10月末の時点で100社に達する見通しだ。登録を完了した事業者は2016年1月から需要家の契約変更を受け付けて4月の全面自由化に備える。再生可能エネルギーに注力する事業者が数多く出そろい、家庭で利用する電力の選択肢が広がっていく。
- 発電設備の接続などで6カ月間に33件、電力会社の対応に苦情や相談
電力システム改革の第1弾で2015年4月に発足した「電力広域的運営推進機関」は中立の立場で全国の送配電ネットワークを運用する役割を担う。事業者から苦情や相談を受けて調停する機能もあり、最初の6カ月間で33件を受け付けた。その多くは発電設備の接続に関する電力会社の対応だった。
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