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» 2016年01月13日 13時00分 UPDATE

スマートファクトリー:50億円を投じて年間6億円削減、セメント製造の熱利用 (1/2)

宇部興産は福岡県の苅田セメント工場に出力1万2650キロワットの排熱発電設備を導入。電力の自給率を約30ポイント高めた。セメント製造時の高温排熱で蒸気を作り、蒸気タービンを回す。固定価格買い取り制度(FIT)を利用しないエネルギーの有効利用の一例だ。二酸化炭素の排出量も約10%減る。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 高温の熱を使う工場で無駄になってしまうエネルギーは多い。宇部興産はセメント工場で生じる排熱を利用し、発電するシステムの導入を計画。2014年6月に着工し、2016年1月から本格稼働を開始した。「約50億円の投資で、年間約6億円のコスト削減効果を見込む」(宇部興産)。

yh20160113Ube_map_250px.png 図1 苅田町と苅田セメント工場の位置

 出力1万2650キロワット(発電端)の排熱発電設備を設置し、化石燃料の消費量を削減。二酸化炭素排出量削減も狙う。設備導入によって、セメント1トンを作る際に必要なエネルギー量(エネルギー原単位)を約15%改善。エネルギー由来の二酸化炭素排出量を約10%(年間約5万トン)削減する見込みだ。

 宇部興産はセメント工場を国内3カ所で運営している。発電システムを導入したのは福岡県苅田町(かんだまち)に位置する「苅田セメント工場」(図1、図2、図3)。

 「宇部セメント工場(山口県宇部市)は自家発電所を備えており、セメント製造に必要な電力のうち約85%を既にまかなっている。伊佐セメント工場(山口県美祢市)では苅田セメント工場よりも大きな設備を導入済みであり、電力の約90%を自給している」(同社)。

 苅田セメント工場に排熱発電設備を導入し、発電した電力を全て工場内で利用する。これにより、約10%と低かった電力自給率を約40%に高めることができるのだという。

yh20160113Ube_birdview.jpg 図2 苅田セメント工場の全景 工場の敷地面積は20.5万平方メートル。出典:宇部興産
yh20160113Ube_buildings.jpg 図3 排熱発電設備・建屋 新設した設備は複数の建屋にまたがり、合計設置面積は約2600平方メートル。出典:宇部興産
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