au でんきに乗り換えることで実際どれくらい料金が安くなるのか。KDDIでは東京電力管内に住むユーザーを例に試算を行っている。2人世帯の場合はau でんきセット割の適用で年間4845円、4人だと6728円、5人以上の場合で7912円お得になるという。au WALLETクレジットカードを利用して料金を支払う場合はさらに割引(ポイント還元)が受けられる(図7)。さらにauスマートバリューとのセット割を活用すれば、さらに年間2万4000円安くなる計算だ。なお、au WALLET クレジットカードとau でんきの同時申し込みで、最大4000円分のポイントをプレゼントする限定キャンペーンも実施する。
利用料金総額に応じて一定比率で割引を行うという特徴的な料金プランを設定したKDDI。ソフトバンクなどの他社との料金プランとの比較について石川氏は「単に割引率だけをみても意味がないと考えている。ユーザーに常に毎月お得さを感じてもらえるのが何よりの競争力だと認識している。多くの電気を使う家庭に対しても、月の使用電力量が400〜500kWhくらいまでであれば他社のプランと十分に競争できる考えている」と述べる。au でんきにおける顧客獲得目標は非公表だが、中核となるユーザー層については「3人以上で構成する世帯と見ている」と語った。
KDDIはau でんきの料金プランと同時に、関西電力、中国電力との提携を発表した。それぞれのエリアでKDDIが代理人となり、電力会社の電気と、KDDIの通信サービスを組み合わせたau でんきのプランを今後展開していく計画だ。
なお関西エリア限定で、2016年5月31日までにau でんきに申し込んだユーザーは、au でんきセット割の割引率が最大12%(1年限定)になるキャンペーンを実施する。まず関西エリアでの顧客確保に注力する理由については「関西電力と協議し、市場競争を総合的に判断した」(石川氏)としている。
KDDIはこの提携によって、関西・中国地域については関西電力、中国電力から電源供給を受ける。その他の地域における電力会社との提携については「今後進めていきたい」(石川氏)としており、電源調達については「常時バックアップ電源や卸売市場、自前の電源も視野にいてトータルでバランスをとっていく」(同氏)と説明した。
au でんきは沖縄県、一部離島を除いて全国展開していくサービスだ。そしてそれぞれのプランの割引原資はKDDI側で負担することになる。KDDI側から見れば、各地域での電源調達コストをどれだけ抑えられるかが電力事業の収益化のポイントになりそうだ。
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