電気契約でガソリンを10円引き、600kWh超で東電より安い昭和シェル石油電気料金の新プラン検証シリーズ(13)(2/2 ページ)

» 2016年01月22日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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東京ガスと共同でLNG火力を建設

 昭和シェル石油は販売する電力をどこから調達するのか。同社は2003年から電力事業を開始し、2008年に自由化された高圧電力市場に参入。以降、2010年に東京ガスと共同で横浜市に火力発電所の「扇島パワーステーション」を建設するなど、電力事業の拡大を図ってきた(図4)。

図4 扇島パワーステーションの外観 出典:昭和シェル石油

 扇島パワーステーションはガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)方式で電力を供給する天然ガス火力発電所で。2010年3月に1号機、2010年7月に2号機が運転を開始している。増設した3号機もあわせると発電能力は約1221MW(メガワット)で、このうち昭和シェル石油分は300MWだ。

再生可能エネルギーにも注力

 同社では再生可能エネルギーによる発電設備の建設も進めている。石油事業の遊休地を活用したメガソーラーを全国で18カ所運営している他、2015年11月には神奈川県川崎市の工業地帯に建設した「京浜バイオマス発電所」の営業運転も始まった(図5)。燃料に木質ペレットを利用する同発電所の発電能力は49MWで、国内では最大級の木質バイオマス発電所だ。年間発電量は一般家庭8万3000世帯分の年間使用電力に相当する3億kWhを見込んでいる。昭和シェル石油が100%出資する「京浜バイオマスパワー」が運営を行っている。

図5 京浜バイオマス発電所の外観出典:昭和シェル石油

 上記の発電設備を含め、昭和シェル石油でが所有する設備の発電規模は合計約600MW、一般家庭約100万世帯分の年間消費量に相当するという。新たに算入する小売電力市場では、これらの電力を中心に販売していく。なお、京浜バイオマス発電所で発電した電力は、再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)を利用しているため、FIT電気となる。

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