海底に沈め海水で冷やすデータセンター、マイクロソフトが実証省エネ機器(2/2 ページ)

» 2016年02月04日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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海底型データセンターの利点とは?

 「Project Natick」で実現する海底データセンターは、データセンターの配置から稼働まで90日間で実現するなど、素早い展開が可能だという。そのため自然災害や大規模なスポーツイベントなど特別にデータアクセスが集中するような状況に迅速に対応できる。また、世界人口の約50%が海から200キロ以内に住んでいるということを考えれば、データセンターまでの距離は非常に近く、遅延を抑えて快適な応答性を実現することが可能となるという。

 「Project Natick」は現在は研究段階にあり、実際に運用を評価するような段階はまだ先のことだとしている。ただ、現状の海底で冷やすというだけでなく、さまざまな環境性に優れた機能の搭載を進めている。例えば、完全なリサイクルを実現するデータセンターの実現や、外部からエネルギーを調達することなく再生可能エネルギーによる自家発電でゼロエミッション型のデータセンターを実現することを目指している。

 今回のプロジェクトでの研究は現在搭載されているコンピュータが寿命を迎える5年をめどとしているという。その後は新しいコンピュータを搭載し、再設置を進める計画だ。最終的には20年間の目標寿命の達成を目指すとしている。

 ちなみに「Natick」とはマサチューセッツ州にある町の名前である。開発コードネームであり、特別な意味はないという。

【動画】「Project Natick」の概要(英語)
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