北海道の真ん中に水力発電所を建設、6400世帯分の電力を増やす自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年02月12日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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融雪期の放流水も取り込む

 新旧の発電所を比べると、発電に利用する水流の落差は新得発電所のほうが1メートル低くなるが、水量は毎秒3.2立方メートル多くなる。これまで利用していなかった融雪期の放流水を加えることで水量を増加させる。どちらの発電所も十勝川の上流から導水路で水を取り込む方式は変わらない(図4)。

図4 発電所の周辺地域。出典:北海道電力

 導水路を含めて既設の発電設備の一部は流用する。川の上流にある水槽や下流までの放水路も流用する計画だ。老朽化した水車や発電機は新設するほか、水車まで水流を送り込む水圧管路や放水路の一部も新設する(図5)。

図5 建設計画の概要(G:発電機)。出典:北海道電力

 北海道電力は建設工事の前に義務づけられている環境影響評価の第1段階(方法書)の手続きを2月9日に開始した。水力発電所では発電能力が2万2500kW以上で環境影響評価が必要になる(3万kW未満の場合には手続きが不要になるケースもある)。今後は第2段階(準備書)と第3段階(評価書)の手続きを経て、工事の認可を受けてから建設に着手する。

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